フク。なんて素敵な名前でしょう。
生まれたばかりのニホンカモシカの赤ちゃん。保護したカネオさんとレイコさん夫妻は、赤ちゃんに、フクと名づけます。カネオさんとレイコさん、そして集落の人々に可愛がられ、大切に育てられたフク。大きくなって遠くの山へと帰されたフクでしたが、カネオさん達のところへ帰ってくるのです。そしてその近くの山を縄張りとし、集落の人々を見守り、見守られながら、最期はカネオさんレイコさんに抱かれながら一生を終えたフク。
この心温まるお話は、実話をもとに描かれたそうです。
フク。それは、幸福からとった名前でした。その名の通り、フクの一生は幸福であったと思います。そして同時に、フクは、カネオさんレイコさんをはじめ、集落の人々に、幸せを運んできてくれました。
生きとしいけるものの命の重み。大切に育まれる命の尊さ。温かさ。それこそが、幸せの原点なのだと改めて気づかされます。
多くの人々に、この素敵なお話が届きますように。