かっぱちゃんとこおにちゃんは、おばけちゃんがだあいすき。
ふたりはそれぞれ、かわいいおばけちゃんを誘って、あそびます。
一緒にぶらんこしたり、シーソーしたり。
みんなであそべばいいのに、おばけちゃんとふたりだけであそぼうとするから、残されたかっぱちゃんかこおにちゃんのどちらかは、うらやましそうに見つめています。
「ぼくがおばけちゃんとあそぶんだから、じゃましないで。あっちへいって!」
お互いにそう言い合い、あらら、けんかをはじめちゃいましたよ。
おばけちゃんは、かっぱちゃんとこおにちゃんの両方に腕をひっぱられて、困り顔。
いったいどうなっちゃうのかな……?
この絵本、ちょうど真ん中くらいのページで左右に大きく開く観音扉のページがあり、そこで、なんと両方から引っ張られたおばけちゃんに事件が起きます!
ぐいぐいっと引っ張られる場面から……次へページをめくったら、きっと子どもはびっくり。おばけちゃんを心配すること間違いなし!
大好きな友だちがいて、ひとりじめしたくなる気持ちって、子どもはとても身に覚えがあると思います。
かっぱちゃん、こおにちゃん、おばけちゃんのやりとりから、何かをきっと感じて考えることでしょう。
気持ちを素直に出すかっぱちゃんとこおにちゃんの表情を、ついじっと見つめてしまいますよ。
最後はほっと一安心。みんな笑顔になるかわいい友情絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む