「ファーガス、どーこだ?」のかけ声でページをめくると、そこには黒いメガネをかけたくまの姿が。細い木の後ろにかくれてみたり、ちいさな動物たちの中に身を潜めたり。今度はゾウやシカの群れに紛れようとしています。どうやらファーガスはかくれんぼが苦手なよう。「それ かくれてる つもりなん?」というツッコミを受けながら、かくれんぼを続けていきます。
作者は『オレ、カエルやめるや』などでおなじみのマイク・ボルトさん。ユーモラスでおしゃれなイラストは、大人も楽しく読めちゃいます。加瀬健太郎さんのゆるい関西弁の訳もベストマッチ。「すくなっ」「ちっちゃー」「シカかーい!」と、一緒にツッコミを入れながら読み進められるのがいいですね。
ファーガスを探すのは簡単すぎると思ったあなた。いえいえ、そんなことはありません。だんだんとコツをつかんできたファーガス。ページを左右にさらに開けるしかけのページでは、「ファーガス、どこいってーん」ときっと叫びたくなりますよ。絵本の最後には「ファーガスの他に見つけるものリスト」もあって、細かな探し絵にも挑戦できます。ひとりでゆっくりおしゃれなイラストを楽しむもよし、みんなでワイワイと探し絵遊びをしてもよし。ワクワクの詰まった楽しい1冊です。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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