山へ行った時。川へ行った時。海へ行った時。ごつごつ、ごろごろ、つるつる……数ある小石の中から、思わず手をのばして拾ったことがあるならば。思い出してみて! その小石はどのくらいの大きさで、どんな触感で、どんな色をしていた?
絵本作家・たかおゆうこさんが、小さい頃に宝物だと感じたものを絵本にしたという『くるみのなかには』『うみのたからもの』に続く、シリーズ第三弾のテーマが「小石」。絵本の中でこんなことを言っています。
「こいしは ちきゅうの ひとかけら」
46億年をかけて、少しずつ少しずつ小さくなっていった小石。手にしたとたん、きっと様々な想像の世界が広がっていくはず。
原っぱで見つけた、平たくて少しごつごつした小石。それは、トカゲの赤ちゃんがひなたぼっこをするお気に入りの場所だったのかもしれない。
すべすべした薄緑色の小石を水に沈めてみれば、そこには深い緑に覆われた森の中に住む、鹿やうさぎやりすが見えてくるかもしれない。
赤く光るまんまるの小石。願いを込めて手に乗せてみれば……。
そこにあるだけで、まるで命の源が宿っているようにも感じる不思議な小石。理由はわからないけれど、惹かれてしまう。そこに様々な物語を思い浮かべてしまう。いつまでも眺めていたくなる模様。握りたくなる質感。そうやって小石を手にした子どもたちは、いつのまにか想像力をはばたかせ、新しい世界へと一歩をふみだそうとしているのかもしれません。
それぞれの小石に隠された世界を、うっとりするような美しい絵で魅せてくれるのがこの絵本。さあ、あなたも特別な小石を見つけたならば。旅にでよう!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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