お酢の形をした家に住んでいたおばあさん。猫のモルトと二人、質素だけれど幸せに暮らしてました。
ひょんなことから、「魚の王様」を助けたおばあさん。
王様は「願いを言いなさい」・・・そしてかなえてくれます。
おばあさんが「欲」に取りつかれ高慢になって行く様が、なんだかリアルに描かれていて・・(でも、表現は可愛らしくて笑えます。)
欲をかいた主人公は悲惨な末路をたどるのが常だったのに、このお話は最後に改心したおばあさんが救われます。そこのところが、本当に素敵でした。
最初におばあさんが言った「ありがとう」と最後に言った「ごめんなさい」と「ありがとう」
おばあさんの、純粋で素直な行動にジーンとしました。
そしてそれに答える魚の王様の「私は、うれしい」。
挿絵もかわいらしく、児童書らしい温もりのある1冊でした。
小学校低学年では、読み聞かせ、中学年では、一人読みで楽しめる本だと思います。