児童書を読んでいてよく思うことは、物事を公平な目でくもりなく見られるのは、実は子どもなのかもしれないということです。
この作品のトムにも、くもりのなさが感じられます。
このシリーズを読むのは、四冊目です。いつも、主人公のトムにきょうりゅうに対する優しいまなざしを感じるのです。
ここで、描かれるのはトムと恐竜の初めての出会いです。
きょうりょうが登場して右往左往するだけで、タライ回しにする大人たちが滑稽ですが、自分も実際こういう事態に陥ったら何もできないだろうと思います。
このきょうりゅうくん、草食だけあって、おとなくてユーモラスでかわいいんです。
トムが見守ってあげたくなる気持ちもわかります。
最後がちょっと切なく感じましたが、温かいお話だと思います。
シリーズ化されて読まれている理由がわかる気がしました。
幼年童話として、恐竜が好きなお子さんにもおすすめです。