絵本のはじめに描かれていたのは、病院で座ってお話できるお母さんの姿でした。
面会に行った女の子は、お母さんの退院を夢見ていたに違いありません。
ところが、次の朝病院から母親の死を知らされるのです。
この唐突さは何でしょう。
この急展開に、読者としても戸惑いを隠せません。
でも、心の準備ないままに人を喪う悲しみの大きさと重さを感じるのには、これ以上のインパクトのない演出でした。
そして残された者は、残された物を整理しつつ、心を整理していかなければならないのです。
女の子は母親のセーターを通して、母親のことを忘れることはないでしょう。
でも、悲しみとしてではなく、記憶として感じられるようになるのでしょう。
誰もが通る道だからこそ、大切なグリーフケアの絵本です。