ミミナシホーイチ」 みんなの声

ミミナシホーイチ 企画・原案:小泉 八雲
作:円城 塔
絵:長田結花
編集:東 雅夫
出版社:岩崎書店 岩崎書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2025年10月21日
ISBN:9784265092512
評価スコア 4.33
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  • 円城塔さんの翻案がすばらしい

    • 夏の雨さん
    • 70代以上
    • パパ
    • 埼玉県

    「耳なし芳一のはなし」は小泉八雲の数多の怪談話の中でも、もっとも知られた作品だろう。
     盲目でありつつも琵琶の名手であった芳一のところにある晩武者が現れ、芳一をあるところへと連れていく。
     そこで芳一は壇之浦での源平の戦いを語り、賞賛を得るのだが、この日からそれが度重なることになる。
     しかし、この時の聞き手たちは平家一門の亡霊で、芳一は彼らに取り憑かれていたのだ。
     そんな芳一に寺の住職がお経を彼の全身に写経するも、耳にだけ書くのを忘れ、
     そのために芳一は亡霊に耳だけとられてしまうという話。

     有名な話だが、絵本にするのはなかなか難しいと思えるが、
     幻想文学の評論家で有名な東雅夫さんが編纂した「八雲えほん」の一冊として刊行された『ミミナシホーイチ』は、
     芥川賞作家でもある円城塔さんの翻案がすばらしく、
     子供でも読める巧みな文章で出来上がっている。
     例えば、写経を全身にほどこされた芳一のもとに亡霊がやってくる場面では、
     「ホーイチ」という呼びかけがただ繰り返される表現になっていたりする。
     こういう巧みな文章は、
     小泉八雲の創作の際に「門を開け」と武者が呼ぶところ、
     それでは強みとならないところ、八雲の妻であるセツが「開門」という一言にした挿話と似ている。
     どんな言葉を選びとるかで、作品自体の印象がかわることのあかしだ。

     この絵本の絵を描いたのは、長田結花さんという若手イラストレーター。

    投稿日:2026/02/22

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  • イメージで感じとる「耳なし芳一」

    朝ドラに触発されたアートな絵本です。
    「ミミナシホーイチ」とタイトルがついているのは、「耳なし芳一」ではないからです。
    物語を知っている人には、話のイメージを膨らませる作品です。
    物語の詳細を知らない人には、想像を掻き立てられる作品です。
    なぜ芳一が耳を取られたのか、それは耳だけにお経が書かれていなかったからです。
    全身に丁寧に書かれた「般若心経」に、思わず文字をたどってしまいました。
    この絵本全体が「般若心経」に包まれていて、耳だけが浮いています。
    芳一が取り憑かれた怨霊たちに平家の悲しみを感じ、やつれていく芳一の姿に怨念の哀愁を感じました。
    改めて「耳なし芳一」を読むと、私の記憶は芳一が耳を取られたところで終わっていて、その後の芳一が抜けてしまっていたことを再認識しました。
    「耳なし芳一」は奥が深いです。

    投稿日:2025/12/24

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