最初読んだときは、とにかく色の美しさにうっとり。
息子がお話そっちのけで、絵だけを楽しんでめくってしまい、
世界中の美しい色に染まるカメレオンがいいなぁと思ったほどでした。
読み直すと、心に響く、深いお話。
長い冬の夜のページで、カメレオンの悲しみがひたひたと伝わってきました。
周りの人は持っている「自分の色」を、どうしても持つことができない自分。
ふと、周囲に合わせて、本当の自分らしさが分からなくなってしまった頃の自分を思い出しました。
けれど、春が来て、年上の賢いカメレオンとの出会いで、
カメレオンの表情がまるで変わります。
周囲に合わせて色が変わるのはそのままだけど
自分と同じ気持ちを分かってくれる存在がいるという喜び。
最後のあか(実際はピンク)に白の水玉模様に染まった、
仲睦まじい2匹をみたら
「ぼくらいっしょにいてみないか?」という言葉はプロポーズだったのかしら?なんて思えてきたりして。
また、時々読み返したい絵本に出逢えたなぁと思います。
息子が、また私が次に読むとき、どんなことを感じるのか楽しみな作品です。