シンプルなタイトルに、辺りを優しく照らす1本のろうそく。
その黄色い暖かいあかりを見ているだけで、心まで暖かくなっていくような表紙です。
お話は、新しいろうそくにあかりが灯されるところから始まります。
そして、それと同時に一人の女の子の人生が始まります。
女の子が大きくなるたびに、ろうそくは小さくなっていく・・・
女の子は成長し、やがて結婚し、子どもが生まれ、そしておばあさんになっていきます。
その間、楽しく幸せなことも、辛く悲しいことも、色々ありました。
そして、傍らでその小さなあかりは、女の子を照らし、励まし続けてくれました。
女の子にとって、月や灯台の光よりも、その小さなあかりがどんなに心強かったことでしょう。
あかりとは、人生を照らすものであると同時に、人生そのものであるような気がします。
誰かにとって、私が灯すあかりが大事なものになりえたなら・・・生まれてきてよかったと最後に思える人生でありますように、と思いながら本を閉じました。
心に残る美しい文章、そして優しく温かい丁寧に描かれた挿絵。
幾度となく、静かに読み返したくなる素敵な1冊です。