『三匹のこぶた』にはいろいろなバージョン、パロディがあるのですが、この本については唸ってしまいました。
捕まったオオカミの詭弁を真に受ける子どもはいないと思いますが、このオオカミのような言い訳をする子って、微笑ましいくらいに多いのです。
(言い訳を考えながら、考える力を身につけていくのでしょうか)
おばあちゃんのためにケーキを作ろうとしたら砂糖が足りない。
くしゃみをしたらブタは死んでいた。
なんとまあ身勝手なお話でしょうか。
身勝手さがくっきりしているから、この絵本はブラックユーモアとして許せるのだと思いました。
それは別として、レイン・スミスさんの絵のグレードはかなりのものです。
オオカミの下心、打算、そして結局はオオカミは悪者だということを見事に描きながら、見る人間を楽しませてくれます。
絵そのものは中学生向きかも。