つつじの赤は、燃えるようないちずな恋心だったのですね。
ストレートで無垢な女心は、我をもかえりみず情念の世界に入り込んでしまう。
凄くて怖いお話でもあります。
それは魔性でもあり、狂気でもあります。
でも、この感覚は思春期の軌道上にあるのかも知れません。
五つの山を越えて夜毎に訪ねてくる女。
しばらくは良かったけれど、男は憔悴しきってしまいました。
女の魔性に疑念を抱き、怖れおののいてしまいます。
それは憎しみに変わり、殺意に変ります。
激しい恋の世界は、死と隣り合わせの危険を伴っているのでした。
子どもはどのように感じるのだろう。
凄い絵本です。
多分、成長に従って感じ方も変わってくるのでしょうね。
私だったら、うれしいような怖いような…。
…、やっぱり逃げてしまうでしょうね。