雪の降る夜、主人公のにわとりちゃんが寝ようとすると、誰かがドアを叩く音がしました。
ドアを叩いたのは、迷子になった子ぎつねくんでした。
きつねは、にわとりを食べます。
だから、家族は子ぎつねくんを家に入れるのを嫌がり、ドアを開けられないようにして眠りました。
でも、にわとりちゃんは子ぎつねくんのことが心配です。
こっそりと家を抜け出して、子ぎつねくんを牛小屋に連れていきました。
二人を見たうしのおばさんは、びっくりしました。
だって、食べられる側のにわとりちゃんと食べる側の子ぎつねくんが、いっしょにいるんですもの!
びっくりしたのは、うしのおばさんだけではありません。
いのししも、しかも、びっくりしました。
それは、子ぎつねくんの両親も同じです。
子ぎつねくんの両親は、二人を見て、どう思ったでしょう?
大人の常識は、きつねはにわとりを食べるもんだ。
ですが、
子どもの常識は、友だちは食べないもんだ。
そして、純粋な子どもを前にすると、大人は……。
大人の殺伐とした常識を子どもの純粋な常識が打ち破ったようで、この絵本を読んで、痛快な気持ちになりました。