毎朝起きる時に「どうかこれが夢でありますように」と思って目が覚めます。
あの地震と原発事故があってから毎日のようにそう思うのですが、それは夢ではなくて重い現実であることが蘇ります。
チェルノブイリ事故を扱った本をもう何冊も読みましたが、チェルノブイリ周辺に広がるのは事故前と変わらない青い空です。
でも、そこには目に見えない放射能があります。
チェルノブイリ以前にもたくさんの環境にまつわる事故や汚染がありました。
高度経済成長を歩んできた日本の歴史は、繁栄のかげにいつも環境汚染がつきまとっていました。
私たちは、知らず知らずのうちに環境を破壊する方の世の中に暮らしていたのです。
この絵本の中で描かれているのは、オゾン層の破壊です。
「これは きみのすむ ほし ちきゅう やさしさが たりなくて ねつがあるの」という言葉が出てきます。
そう私たちの優しさが足りなくて、地球は熱を出してしまっているのです。
前の世紀が環境の汚染と破壊の世紀だったとしたら、今私たちの住む今世紀には、これ以上の汚染や破壊を繰り返す愚を繰り返してはならないのだと思います。
子どもたちが安心して住める世界、マスクなしでも安全に空気が吸える幸せを、大人が守らなくてはいけないのです。
葉祥明さんの描く限りなく美しい青空。
この青空を何世紀も後の子どもたちのために守っていきたいと、本気で大人が願わなくてはと思いました。