やさしいことはしないと思われたいオオカミが、怪我しているくまを助け、看病をします。でもそんなことを知られたくないオオカミは親友のキツネにも内緒です。くまが気になるオオカミは、キツネと遊んでいても心ここにあらずです。気になったキツネはオオカミの後を追って真相を知ります。
この本は大人も子どもも2人の気持ちが共感できると思います。大人は自分の描くイメージを壊されたくない気持ち、でも本当はやさしくて気になるところ。でも人には言いたくないところ。いいことしても他の人にはばれたくなくて今まで通りふざけたりもするけど、本当はやさしいところ(この本ではオオカミがクマの好物のくりを踏まないように歩いています)。子どもは仲良しの子が急に他に興味がでてきた時の寂しい気持ち。オオカミの後をおいかけるキツネの気持ち。…などなどが自分と重なってくると思います。とてもいいお話です。何度も読みたくなります。