息子が『かしこいビル』をすっかり気に入ったので、同じニコルソン作ということでこちらも借りてみました。
意味不明な真っ黒な双子の海賊が海辺の貝の中から現れ、メリーの大切な仲間になります。メリーはこの真っ黒な子たちに、色々と文明的なことを教え、楽しく過ごしますが、彼らは海へ帰ってしまいます。でも、メリーの誕生日にはちゃんと戻ってきて、一緒にケーキを食べるのでした。
『かしこいビル』のなかでもメリーは一人でおもちゃで遊んでいましたが、ここでもメリーは一人です。大切なお人形との空想の世界でしょうか。幼少期の自分の体験とはまったく重ならない絵なのに(メリーは色白金髪のお嬢さんですしね)、なぜか昔の記憶がたぐり寄せられる気がして胸がキュンとなる絵本です。
子供がどう感じているのかはよくわかりませんでした。でも、今すぐに何かを感じるのではなくて、大きくなった時に心のどこかにこの絵が残っているような、そんな絵本なのかもしれません。