めすのあかちゃんヌーの視点から描いた作品。
横長の装丁が、地平線の見える広い広いアフリカの大地を効果的にしています。
ヌーの群れの移動の中で、ライオンに追われておかあさんライオンは群れからはぐれます。
残されたあかちゃんライオンの不安が伝わってきます。
特に擬人化したわけでない、写実的な絵なのに、
ヌーの親子の感情が伝わってきます。
母の強さもすごいです。
同じ母として尊敬してしまいました。
おかあさんヌーの空白のまいごの時間の様子は
次作『かりのけいこ』に描かれています。
ヌーの視点、ライオンの視点で読み比べると、
より立体的に動物の世界を体感できそうです。