『図書館ラクダがやってくる』の後に読み、驚きました。
こちらは80年程前のアメリカに実在した女性図書館員をモデルにした作品ということで。
なんと、移動図書館は、そんな昔から会ったんですね。
学校へも通えず図書館もないところに住む、文字や情報の届かないこどもたちが、たくさんいることを学びました。
ケンタッキー州のアパラチア山脈あたりで活動していたブック・ウーマンをモデルとしたそうです。
主人公の男の子カルは、9人家族で暮らしています。
長男であるカルは、最早家族に頼られる立派な働き手です。
カルが気に入らないのは、妹のラーク。
暇さえあれば、本と首っ引きです。
字を覚える気も、ましてや本になど興味を持とうともしないカルに一つの出会いがありました。
本をいっぱい詰め込んだ荷物を持って、一日がかりで山の上まであがってきたブック・ウーマン。
雨の日も霧の日も凍えそうな寒い日も彼女は、新しい本と取り替えにやって来た。
そして、一歩も外へ出られず、家族で体をくっつけ暖炉を囲むしかない吹雪の夜に、……。
ブック・ウーマンのこのエネルギッシュな活動が、カルを変えていくページから前のめりになり読みました。
小さな活動に見えるかもしれませんが、一人の少年の人生を明るく広いものにした功績は、言葉では語り尽くせぬほどの偉業だと思います。
ボランティア活動をしていらっしゃる方には、是非読むことをお薦めします。