4匹のこねこが大きなお皿にのって遊んでいるところに、1匹のこいぬがやってきます。
こいぬはお皿にのぼって、ちゃっかり真ん中にすわりこんで……。
そんなこいぬに、こねこたちはたずねます。
「きみも こねこなの?」
「えっと……そう!」と答えたこいぬに、こねこたちは「いっしょだね。じゃあ、ついてきて!」と誘います。
どこへいくのかな?
「ペチャペチャ バシャッ!」と、お水をのみます。
「ペロペロ ベロン!」と手や口のまわりをなめます。
「ニャーオー!」とこねこたちは鳴きますが……。
こいぬは、「ニャ……ワンワン!」
身軽なこねこのまねをして、高いところから落っこちたこいぬは「キャン!」
そこへねずみが顔をだし……?
こねこたちに仲間入りした、こいぬの様子を微笑ましく描きます。
『ゆきのひ』でコールデコット賞受賞、世界的に評価の高い絵本作家エズラ・ジャック・キーツの、優しくユーモアを含んだまなざしが伝わってくる絵本です。
黄色、朱色、茶色、紫色などの色使いが、キーツ作品ならではの独特のあたたかみを感じさせてくれます。
落っこちたこいぬを、こねこたちがなぐさめたり、ねずみを追いかけて壁にぶつかったこいぬが頭を抱えたり……。
素朴な表情がかわいらしく、くすっと笑いたくなる場面がいっぱい。
こねことこいぬが一緒に遊ぶ姿に、胸がキュンとしてしまいます。
一枚一枚の絵の構図や、最後のせりふも素敵。エズラ・ジャック・キーツ作品のファンは必見です。
絵本の中のひとときに、心が優しさに染まっていく絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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