ザリチはザリガニの男の子。今日はおじいちゃんのうちにお泊まりに行く日です。
「パンツでしょ、おやつもたくさん。
そうそう、チュッパカホワホワもわすれちゃいけない。」
「チュッパカホワホワがなくちゃ、ねむれないよ。」
チュッパカホワホワ、何だかとっても可愛い響き。
その正体は、どうやらザリチが小さな頃からずっと持っているタオルのようです。
リュックが荷物でいっぱいで、大きいチュッパカフワフワが入らないのです。
すると、おかあさんがザリチョ、ザリチョ、ザリチョ!
はさみで切って、小さなチュッパカホワホワを持たせてくれました。さあ、出発です。
ザリチが張り切って歩いていくと、リスのパヤパヤ、ヤギのモグメーさん、カメのポカポカなど次々に知り合いに出会います。
「やぁ、ザリチ! ひとりでお出かけかい?」
その度にザリチはお手伝いをしたり、お話相手をしたり、大忙し。さらに迷子になったカモの子どもたちにも会って・・・。大変、チュッパカホワホワが!!
はじめてのお泊まり。ちょっぴり不安だけど、いつもほっぺにくっつけて眠るタオルがあれば安心!
そんな気持ち、よくわかりますよね。元気なザリチだってそれは同じ。
でもね、道行く途中、しっかりあいさつができたり、困っている人がいればお手伝いしたり、ザリチは案外頼もしく見えますよ。おとうさんもおかあさんも、きっとわかってて送りだしたのでしょうね。最初は泣きそうだったザリチが、おじいちゃんのうちにたどりついた頃にはすっかり・・・!
ザリチを見ているだけで、チュッパカホワホワって声に出して言っているだけで、何度も笑いそうになっちゃうこの絵本。みんなでザリチのがんばりを笑顔で見守ってあげてくださいね。私もすっかりザリチが大好きになっちゃいましたよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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