この本は、2つのおはなしが真ん中で出会う絵本。
しろくまのパン屋さんが、パンがのったオーブン板をもつ表紙から「パンをつくろう」のおはなしがスタート。
そして、ねこくんがトングを片手に、トレイにパンをのせた裏表紙側からは「パンをかおう」がスタート。
どちらから読みはじめてもOKなのです!
まずはパン屋・シロクマブレッドの、朝まだ暗いうちからパンづくりをするおはなしからのぞいてみましょう。
「さあ きょうも おいしい パンを つくるよ!」
しろくまさんの手元で、パンのもとが、こねこねと、こねられています。
しばらく生地を休ませ、ふくらんだら空気をぬいて、まとめて、同じ大きさにとんとんとん。
特製のたまごたっぷりカスタードも、中にくるりんと詰めて……わあ、おいしそう!
手元をアップにした場面が続くので、読者もパンをこねている気分になれます。
工程がよーく見えて、まさに「パンをつくろう」のストーリーにぴったり。
さてどんなパンが焼けたのかな? 絵本を楽しみにしてくださいね。
もちろん、裏側からスタートする「パンをかおう」も、おいしそうなシーンがいっぱい。
お母さんとシロクマブレッドを訪れたねこくん。
店内には色とりどりのパンがいっぱいあるんですから、どれにしようか迷っちゃう。
最後に見つけた、あのパンとは……!?
まさに1冊で2度おいしい、2つのおはなしが背中合わせになった絵本です。
パン屋さん、ねこくん、脇役の道具たちも、みんなにこにこ顔。
読むと自然に笑顔になりますよ。
さあ、あなたはどっちから読む?
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む