世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.07.11
もうすぐはじまる夏休み。海水浴やキャンプ、花火大会、夏祭り。楽しいイベント目白押しで毎日忙しく過ごすご家庭も多いことでしょう。でも、楽しい思い出を重ねつつもちょっとずつ気になってくるのがドリルや日記、自由研究など学校から出ている宿題たち。毎日コツコツとやっていけばいいのに、夏休みを中盤を過ぎるころには、やらなければいけないことが山積みに……そんな夏を今年こそ回避しませんか?
まずは多くの子どもが頭を悩ませる読書感想文から。読書感想文のポイントはどんな本を選ぶか?で決まると言っても過言ではありません。なるべく子どもが楽しく最後まで読めて、読んだ後に親子で本について話すことができて、「楽しかった」以外の感想を書くことができる。ここでご紹介する児童書は、小さなお話が集まった短編集から、自分を見つめるきっかけになる等身大の主人公の物語、思わず冒険に出たくなる冒険家のノンフィクションなど、様々なジャンルの作品を集めました。気になる作品は、ぜひ手に取って、中を読んでみて、お子さんに手渡してあげてください。
今年の夏は親子で1冊の本を囲んで、いろいろ意見を交わして、思い出を作ってくださいね。
みどころ
ある日、砂浜でピクニックをしていたローリー、スパイダー、サムの3人。おなかいっぱい食べたひと休みの時間、食べてすぐ泳ぐのは良くないし、かといって昼寝もつまらない。
「じゃあ、おはなし、きかない?」
提案したのは、つばの広い麦わら帽子に緑色のサングラスをかけたおしゃまな雰囲気の女の子、ローリー。
「あたし、じぶんで おはなし かいてるの。」
ローリーが話したのは、ねずみとねこと犬が登場するおはなし。
あれ、もう終わっちゃうの? サムとスパイダーは物足りない様子。
それならば、と、個性的な帽子にカラフルな服装の男の子、サムがおはなしを始めます。
ローリーから「ねずみとねこのおはなし」というお題を与えられて作ったのは、ねずみがペットショップでねこを買うおはなし。サムは即興で作ったと思えないような、なかなかのストーリーテラーぶりを発揮します。
最後は、3人の中で一番活動的な雰囲気の男の子、スパイダーの番。スパイダーが作って話すのはこわいおはなし! おなかをすかせたかいじゅうが海から現れ、なにか食べるものはないかと砂浜を歩きまわっています。ローリーとサムのおはなしに出てきたねずみやねこもちゃんと登場しますが、かいじゅうの好物はなんといっても、にんげんの子!
「うほっ! いたいた!」
男の子がふたりに、女の子がひとり。
砂浜にいたにんげんの子!? それってもしかして‥‥‥。
仲良しのともだちとうみべで過ごすのんびりとした時間。リラックスした雰囲気の中、語られていく3人の自由な想像で生まれるおはなしには、さりげなくそれぞれの個性も反映されているようで、なんて面白いのでしょう。
ユーモア溢れる楽しいおはなしを書かれたのはアメリカの絵本・児童文学作家のジェイムズ・マーシャルさん。絵にもまたユーモアがたっぷり感じられて、見れば見るほど味わい深くなってきます。個人的なお気に入りは、表紙を開いたところにある3人の後ろ姿。読み終えた後にこの絵を見ると、3人の仲良しな姿がとっても幸せな気持ちにさせてくれるのです。
そのジェイムズ・マーシャルさんのユーモアをしっかりと心地良い日本語で伝えてくれるのは、小宮由さん。自らを「1930年から70年の、アメリカの絵本黄金期の作品を掘り起こす考古学者」と語られる小宮由さんが、ジェイムズ・マーシャルさんのこちらの作品を発掘し、日本の子どもたちが読めるような形で届けてくださいました。訳の中でとくに注目したいのは、サム、スパイダー、ローリーのセリフの部分。それぞれの個性が伝わってきて、3人それぞれに親近感が湧くところもこの本を好きになるきっかけとなりそうです。
おはなしを聞く楽しさ、作る楽しさ、想像する楽しさ……と、おはなしの魅力がたっぷり詰まった一冊。読んだ後は、自分でもおはなしを作って人に話してみたくなってしまうかもしれません! 挿絵がたっぷりで文章も易しいので、はじめてのひとり読みに挑戦する作品としてもおすすめです。
この書籍を作った人
〈1974年-〉東京都生まれ。学生時代を熊本で過ごし、卒業後、児童書版元に入社。その後、留学などを経て、子どもの本の翻訳に携わる。東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父はトルストイ文学の翻訳家、故・北御門二郎。
出版社からの内容紹介
パンダとリスは大のなかよし。ある満月の夜、2ひきは月を見上げながらはなします。「あの月をとってきて、村の人間みたいに、ボール遊びができたら楽しいだろうな」とパンダがいうと、リスは「ぼくがとってきてあげる!」と高い木にのぼって、手をのばします。でも、月に手がとどきません。「そうだ、はしごを作ろう!」パンダの好物の竹で、木よりも高いはしごを作りますが月を、やはり手がとどきません。(そのあいだ、パンダは竹の葉をむしゃむしゃ食べていましたけどね)体の大きいパンダがはしごにのぼっていくと…? 月をめぐる2ひきのやりとりを描いた「月」をはじめとする、6つの短編を収めました。カラーイラストは、オランダの児童書界を代表する絵本作家テー・チョンキン、文章は、大人向けの作品から児童書まで、受賞歴多数の作家エド・フランク。2ひきの友情を描いた心あたたまる、幼年向け短編集。 朝読におすすめ!
この書籍を作った人
1942年神奈川県生まれ。青山学院短期大学英文科卒業。出版社に勤務して、おもに児童図書の編集をした後、創作活動に専念。「星に帰った少女」で日本児童文学者協会新人賞、日本児童文芸家協会新人賞受賞。「ママの黄色い小象」で野間児童文芸賞受賞。「雨ふり花さいた」で小学館児童出版文化賞受賞。そのほか「ざわざわ森のがんこちゃん」シリーズ(講談社)「ぞくぞく村のおばけ」シリーズ(あかね書房)「やまんば妖怪学校」シリーズ(偕成社)など。絵本では「もりのかくれんぼう」「ママ、あててみて」(いずれも偕成社)などの作品がある。
出版社からの内容紹介
アヤは想像力ゆたかな女の子。ミミズクやフクロウの図鑑を見るのが大好きで、目立つことや、女の子っぽくふるまうのは苦手です。そんなアヤの日常に大きな事件はおきないけれど、日々いろいろと考えることがあるのです。小学3年生の女の子の心情をユーモラスに語る3つのエピソードを通して、自分は自分のままでいいのだと理解し、少しずつ成長していく姿が爽やかに描かれます。
第1話「いつもとちがう、とくべつな自分」──発表会の劇でミミズク役をやりたいけれど、立候補する自信はないアヤ。ところが、ひろったジュズダマが耳にはまって取れなくなってから、いつものアヤとはちょっぴりちがうスーパーアヤになったようで……
第2話「ヒヨコには、なれないけれど」──声がひくく背も高めのアヤは、女の子らしいふるまいが苦手です。総合学習の時間に、ヒヨコのダンスのグループになったのに、アヤだけめんどりをすることになり……
第3話「イチゴはみんな、ちがうかたち」──ある先生から「想像力がない」といわれ、ふんがいしたアヤは童話を書きはじめました。そんなある日、友だちとひみつの話をしあうことになって、アヤは思わず「童話作家になる」といってしまうのです……!
出版社からの内容紹介
新進気鋭の冒険家・春間豪太郎氏による小学校高学年〜中学生向けの待望の児童書!
第1章 モロッコで行商人にあこがれ冒険!
第2章 キルギスで勇者をめざして冒険!
第3章 チュニジアで砂漠を自由に冒険!
動物と一緒に野宿旅≠ニいう前代未聞の冒険(リアルRPG)を続ける春間さん。
しかし、その道中は難敵ぞろい。
モロッコでは暴れん坊のロバと前途多難の野宿旅!
キルギスでは羊と犬と一緒に極寒の山で遭難!?
チュニジアではラクダに乗ってしゃく熱の砂漠を横断!
次々と襲ってくるトラブルを動物たちと乗り越えていけるのか…?
周りとなじめずに悩んでいる子どもや他の子どもとは異なる特性をもつ子どもたちに生きるヒントを与える、ワクワクドキドキの感動ノンフィクション。
この書籍を作った人
画家。昆虫や植物を生命感豊かに描く絵本画家として活躍。徹底した自然観察に基づいたリアルな作品の数々から"日本のプチ・ファーブル"と呼ばれ、世界的に高い評価を得る。代表作には『ファーブル昆虫記』(世界文化社)がある。
出版社からの内容紹介
家にいるほうが、ずっと自由に思えた
全国一斉休校となった日、
小学5年生のるるこは、ひとしれず、ほっとしていた。
<でも、そんなふうに思っていいのかな。>
休校一日目は、母の会社に行き、同僚の連れてきたちょっと変わった姉妹と過ごし、翌日からはしばらくぶりに家に戻ってきた母の姉、聖子と、古い家の片付けとリノベーションにとりくむことになる。
自分の居場所を心地よくしていくステイホームの毎日が、いい子でいなくちゃと思っていた、るるこの心を少しずつほぐしていく。
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「まあ、そうだね、楽しくはないよ。でも言ってらんないじゃん、好きとかきらいとか楽しくないとか。どっちみち、行かなきゃいけないものなんだし。」
「それにしたって、自分の正直な気持ちは、知っておくほうがいいに決まってるよ。きらいなものはきらいって、はっきり自覚しておかないと、逃げるチャンスがあらわれたとき、一瞬でつかめないでしょ?」
(本文より)
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