パイの実 森の絵本 いっしょって いいね
- 作:
- 間部 香代
- 絵:
- おおで ゆかこ
- 出版社:
- フレーベル館
絵本紹介
2025.09.18
9月に入っても真夏のような暑さが続いていますね。秋は遠慮しているのか、出番を忘れてしまったのか……。このまま日本は夏と冬の二季になってしまうのではと、心配になるほどです。でも、食品売り場で夜ご飯の食材を選んでいると、目に留まるのはさんまや栗、ぶどうに柿。真っ赤に燃えるような夕焼けに目を奪われる日も増えてきました。ゆっくりと、でも確かに、秋は近づいてきているようです。
本格的な秋を待ちわびながら、絵本を手に取ってみませんか。
どんぐりころころどんぐり、ほっ! 第45回講談社絵本新人賞を受賞した『どんぐりず』は、リズミカルな言葉と、コミカルで躍動感ある鉛筆画に、子どもも大人も夢中になっちゃう一冊。
運動会の前にはぜひ、人気シリーズの『パオちゃんのうんどうかい』を。おなじみの仲間たちが綱引きや玉入れ、かけっこと大奮闘。実際の運動会をますます楽しみにさせてくれます。 『オリーとおちばのまほう』は、迷子の子ネコのおうちを探すオリーとネコのパンプキンの物語。モノクロに秋色カラーが映えるイラストも魅力的で、ハロウィンにもぴったりの絵本です。
五感を研ぎ澄ませ、行事を楽しんだり、絵本を開いたり。私たちから歩み寄ってみると、やわらかな秋の気配を感じられます。
この書籍を作った人
愛知県生まれ。児童文学作家、コピーライター、雑貨ショップ「マッシュノート」オーナー。日本児童文芸家協会会員、日本童謡協会会員。第11回児童文芸家協会創作コンクール童謡・少年詩部門で優秀賞。第9回キッズエクスプレス21創作童話・絵本コンテストで岩崎書店賞。絵本『たぶん ほんと』(マッシュノート)、『グッバイ山でこんにちは』(文研出版)、絵本『ルコちゃんがいく』『ルコちゃんはどこ?』(鈴木出版)など。
この書籍を作った人
1986年生まれ。2009年京都精華大学カートゥーンコース卒業後、イラストレーターとして書籍や雑誌、絵本の挿絵を描くほか、文房具や雑貨のイラストとデザイン、ぬいぐるみの販売など幅広い分野で活動中。著書に『すてきなおかし作り』他「はじめて絵本」シリーズ、『シロクマくつや』などがある。
みどころ
秋の森はおいしそうなごちそうがいっぱい。甘いヤマブドウやガマズミの実、そしてたくさんの木が木の実をどっさり落としてくれます。
食いしんぼうのたぬきのポコタは、りすやねずみが冬に備えて土の中に木の実を埋めているのを知り、「よし、ぼくもやってみよう」と真似してみます。しかし上手くいきません。りすたちには記憶力という特別な能力があり、ポコタにはそれがない。「ぼく、だめだなあ」としょんぼりしてしまうのです。
でも、ねずみとりすに「ちっとも ダメじゃないよ。だって ポコタは ふゆになるまえに うんと たくさん くだものや きのみを たべることができるじゃない!」と言われ、ポコタは自分の個性が才能なのだと気がつきます。
繊細なタッチで、細かい毛の先までリアルに動物たちを描くしもかわらゆみさん。これまでも『ねえねえ あのね』(講談社)や『おんなじ だあれ?』(あかね書房)など、優しさを内包した愛らしい動物たちの姿を数多く描いてきました。今回も、表情豊かでとびきりキュートな動物たちに目を奪われます。個を認め合うことの大切さを知ることができる、心あたたまる作品。子どもも大人も、秋の自然の美しさとともにそのやさしさをたっぷりと感じてください。
出版社からの内容紹介
第45回講談社絵本新人賞受賞作! 発売1週間で重版決定!
どんぐり ころころ どんぐり、ほっ!
どんぐり ごろごろ どんぐり、よいしょ!
一度見たら忘れられない、かわいいどんぐり5人組のよーいどん!
かがくいひろし、石川基子、玉田美知子など、人気作家を数多く輩出してきた「講談社絵本新人賞」注目の第45回受賞作が絵本になりました。
どんぐり5人組が、木から落ちて着地するまで、まるで運動会のようなゆかいな道のり。
走って「ころころ」、ころんで「ずこーっ、」泳いで「ばしゃばしゃ」、読みきかせすれば、子どもたちはどんぐりになったつもりで、ころころ、ぐらぐら、ばしゃばしゃと、あっちこっちへ大冒険!
子どもたちが、ぱっと笑顔になる絵本です。
さて、インパクト抜群の鉛筆画のどんぐりたちですが、表紙では左から順番に、なんと言っているでしょう?
この書籍を作った人
絵本・イラスト・立体造形作家。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。中森デザイン事務所を経て、フリーに。『色えんぴつでかわいい鳥たち』『どうぶつのかたち練習帳』(パイ インターナショナル)、『どうぶつえんに いきましょう』『ぼくと小さなポポフ』(教育画劇)など著作多数。
みどころ
アルバートはペットが欲しくてたまりません。けれど、ママもパパもだめだと言うばかり。でもアルバートは諦めません。朝から晩までペットがほしいと言い続けました。するとある日、パパがプレゼントをくれます。包みを開けてみると、出てきたのは、なんとじゃがいも!「ペットのおじゃがくんだ」とパパは言いますが……。
じゃがいもならではの伸びやかなパワーを感じられる、ユーモアあふれる作品。原作はイギリスの絵本で、作者は多くの児童文学作品を手がけるジョシュ・レイシーさん。そして日本で育ち、現在はロンドンを拠点に活躍するモモコ・アベさんがイラストを担当されています。
この作品、ただ単に突拍子もないストーリーというわけではありません。実は「生き物と暮らすこと」「身近な野菜を知ること」など、いろんな切り口から楽しめるおはなしなのです。訳者であるみやさかひろみさんは、この絵本の魅力を「あふれる生命力と多様性」と表現しておられます。改めてアルバートの一家に目を向けると、お父さんは茶色の肌、お母さんは白い肌、アルバートはその中間色の肌をしていることがわかります。そして、一個だったじゃがいもがたくさんになり、ひとりの男の子から様々な背景を持つ人たちの手に渡っていくのです。
ペットにじゃがいも。これは意外にアリかもしれませんよ!
この書籍を作った人
弘前大学人文学部卒業。旅行会社勤務、雑誌のライターなどを経て翻訳者に。訳書に「ランプの精リトル・ジーニー」シリーズ(ポプラ社)、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ(小峰書店)、『ノエル先生としあわせのクーポン』(講談社)、『キリエル』(あかね書房)、『ルルとブロントサウルス』(小学館)など、100冊以上を数える。宮城県出身、東京都在住。
この書籍を作った人
北海道生まれ。北海道芸術デザイン専門学校卒業。幼年童話「こぐまのクーク」物語シリーズ(KADOKAWA)など、やさしい絵と文で描くどうぶつたちが主人公の作品で知られる。また、文を担当し、子どもの気持ちをこまやかに描く作品も多い。主な共著絵本に『かあちゃんえほんよんで』(文/かさいまり 出版社/絵本塾出版)、『ばあちゃんのおなか』(絵/よしながこうたく 出版社/教育画劇)、『ねえたんが すきなのに』(絵/鈴木まもる 出版社/佼成出版社)、『ぴっけやまの おならくらべ』(絵・村上康成 出版社/ひさかたチャイルド)、『ちいさいわたし』(絵/おかだちあき 出版社/くもん出版)など。日本児童文芸家協会会員。日本児童出版美術家連盟会員。
この書籍を作った人
茨城県生まれ、東京都在住の翻訳家。コーヒーとネコと、散歩しながら雲をながめるのが好き。絵本の翻訳に、第13回ようちえん絵本大賞を受賞した『海とそらがであうばしょ』、『すてきで偉大な女性たちが世界を「あっ!」と言わせた』、オリーシリーズ『オリーともりのがっこう』(いずれも化学同人)などがある。
出版社からの内容紹介
今日は、待ちに待った町の大運動会です。パオちゃんは、お友達と元気に会場へやってきました。赤組と白組に分かれて、さあ、いよいよ競技が始まります。
かけっこ、玉入れ、綱引き……どれも一生懸命頑張ります。応援も、みんなで一緒に大きな声で「おーえす おーえす」
次は、大玉転がしです。パオちゃんとあひるちゃんの白組ペア、うさぎちゃんとペンギンちゃんとワニちゃんの赤組ペア、ドキドキしながらスタートラインに立ちます。ごろごろごろごろ、大急ぎ! ところが、スピードにのったパオちゃんチームの大玉が転がっていき……!?
お昼になりました。パオちゃんたちは、おなかがぺこぺこです。みんなで仲良くおいしいお弁当を食べました。
やさしい色使いのイラストと友達同士の心温まるお話が、運動会の様子をより一層楽しいものに盛り上げてくれます。
文/竹原雅子 編集/木村春子