
【連載】11月の新刊&オススメ絵本〜知育・子ども向け実用書編〜

楽しいのはもちろん、読むと内容に興味を持つ、知識が身につく、ちょっとためになる絵本をご紹介します。
●食べることが大好きな子へ! 食への興味が増す絵本3冊。
★新刊★食欲の秋に食べたいのは、やっぱり和食!
食べること大好きなお子さん。美味しい絵がたくさん出てくる絵本を読むことも良いですが、一歩踏み込んで、食に対する知識が紹介されている絵本はいかがでしょう?
「はじめての和食えほん」シリーズは、江戸懐石近茶流嗣家(きんさりゅうしか)・柳原尚之さんが、イラストレーターの近藤圭恵さんとタッグを組んで生み出した、大人と子どものための料理絵本です。日本ならではの年中行事と、和食とのつながりを解説するのは、著者・柳原尚之さんの分身である「尚之先生」。さらに、尚之先生オススメの秋の和食の作り方も紹介されています。読んで楽しい、作って美味しい一冊です。
★新刊★「へんてこパンやさん」シリーズに、新しい仲間が加わりました。
「食」「子ども」「ものづくり」をテーマに、料理やお菓子などのレシピ監修、作品を作り続けている、料理創作ユニットGomaさん。「へんてこぱんやさん」シリーズは、2014年から続く人気絵本です。第5作目となる今回は、1月から12月までの季節に合わせたへんてこパンとその作り方が登場します。Gomaさんいわく「特別な道具や材料を使わずおうちで作れるレシピばかり」だそう。絵本を手に、親子でパン作りにチャレンジしてみるのも面白いですね。
★新刊★料理家・高山なおみから子どもたちへ。
料理家の高山なおみさんが「子どもたちが、自分ひとりでもできるようにと思って、この絵本をつくりました」と生み出した写真絵本『おにぎりをつくる』から早1年。この度、姉妹編となる『みそしるをつくる』が出版されました!
今回も歌詞のようなリズミカルな文章と、シンプルでオシャレな写真の組み合わせが楽しい一冊となっています。
読めばきっとお出汁からみそ汁が作りたくなるはずです!
「みそしるをつくる」
文:高山なおみ
写真:長野陽一
出版社:ブロンズ新社
料理家・高山なおみから子どもたちへ。子どもが自分でつくる、みそしるの写真絵本。みそしるって、おいしいね!心もからだもほっとする!こんぶを1こ、にぼしを5ひきでかんたんおダシ。ちいちゃくひをつけ、くつくつくつ。あぶらあげ、すとんとんとん、すとんとん。おとうふすくってとびこませ。おみそをとかして、できあがり!
絵本完成を記念して、高山なおみさん、写真家・長野陽一さん、デザイナー・寄藤文平さんにお話しを伺いました。(2020年11月19日の記事です)
●ウイルスの季節に読みたい! てあらい&うがい絵本3冊。
コロナウイルスの感染拡大に伴い、さらに注目を集めている子どものてあらい&うがい。11月にも子どもたちにてあらい&うがいの大切さを伝えてくれる、心強い絵本が登場しました。
●おさるのジョージと一緒にてあらい&うがい習慣を!
子どもたちの永遠の友だち「おさるのジョージ」から、物語の随所に知育情報や、巻末付録を加えた新しいシリーズ「ちしきえほん」が誕生しました。その記念すべき1冊目が、この『わるいきんを やっつけろ』です。いつも元気なジョージが体調を崩しているなんて、心配ですよね……。この絵本を読んで、ジョージと一緒に、元気に過ごす方法を学んでみてください。
★新刊★体の平和を見守るニューヒーロー誕生!
どうしてウイルスが体に入って悪さをするのか、どうやったらウイルスから体を守ることができるのか……大人でもなかなか正確に答えることは難しい問題。
それならこの絵本を手に取って、親子で一緒に考えてみてはいかがでしょう?
ちょっと難しい問題も、正義のヒーロー「ウイルスにマケマ戦隊 ゲンキーズ」の活躍を見ればスッと内容が理解できるはず。ゲンキーズと共に、この冬を元気に乗り切りましょう!
「ウイルスにマケマ戦隊 ゲンキーズ」
作・絵:うえだ しげこ
監修:岡田 晴恵
出版社:フレーベル館
地球の平和を見守る正義のヒーロー、その名も
<ウイルスにマケマ戦隊 ゲンキーズ>!
悪のぐんだん<ウイルスダー>からみんなの元気を守るため、今日も戦う!
<ゲンキーズ>とは、地球を見守る正義のヒーロー。
宇宙にかがやく「コウシュウエイセイ」から、
みんなの「元気」がおびやかされると、サイレンとともに出動する!
対して、ゲンキーズの宿敵、地球の支配をもくろむ悪の軍団<ウイルスダー>。
インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス(はやり目を起こすウイルス)など、
子どもに身近な4つの感染症を引き起こすウイルスをイメージした悪役が、
地球の子どもたちにしのびよる…
はたして、戦いの結末やいかに!?
巻末には、白鴎大学教授の岡田晴恵先生による解説ページがついていて、
おうちの方のためによりくわしい情報が掲載されています。
ボリュームたっぷり、もりだくさんのこの絵本、
ぜひwithコロナの時代に、一家に一冊、お求めください!
●絵本で楽しく好奇心を満たそう! 知識が身につく絵本6選。
●11月の日本文化・伝統を知るならこの1冊。
七五三や勤労感謝の日など日本的な行事が多い11月は、日本の文化や行事を振り返るのにもピッタリな月です。
『からすのパンやさん』や「だるまちゃん」シリーズの作者・かこさとしさんは、子どもたちが日本古来の行事や習わしについて知ってほしいと、全12巻になる「こどもの行事 しぜんと生活」シリーズを作りました。
『こどもの行事 しぜんと生活』全12巻コンプリートを記念したインタビュー記事。(記事は2012年11月29日のもの)
「昔は稲作が日本の中心だったので、行事の中には農業に関係のあるものも多かったんです。でも今は、農業の形態がどんどん変わっている。今後、農業に関する行事がどのように変わっていくかは分かりません。ただ新しい生活様式に変わる中で、農業の形態について知っていてほしいと思い、描きました。」(かこさとしさんインタビューより抜粋)
●お金の知識、小さいうちから身に付けたいなら、楽しくなくっちゃ!
おこづかいをいつからはじめたら良いのか……。金銭感覚をどうやって教えたら良いのか……。子どもを持つ多くの親が頭を抱える問題のひとつですよね。
小さいうちからお金に対する感覚を伝えようとするなら、まずはやっぱり楽しく「お買い物ごっこ」からスタートするのはいかがでしょう?
『おかねタウンでおかいもの』には、絵本を楽しみながら遊べる「しなものカード」や「おかねカード」付き!
さらに遊び終わったカードは、レジスターにもなるケースに収納できるので、お片付けの練習もできてしまう!一石二鳥のお得な絵本です。
「おかねタウンでおかいもの」
作:さこ ももみ
出版社:白泉社
お金ってどんなもの? どうやって使うの?
子どもにお金のことを教えるのは、意外に難しいもの。絵本・しなもの&おかねカードのセットでお買い物ごっこしながら、お金に関わるさまざまなことを楽しく学べます。日本や世界のお札に描かれているあの人・今後描かれる予定のあの人たちも登場!
カードは、レジスターにもなるケースに収納できるので、お片付けの練習にもぴったり。
2020年10月刊
★新刊★地球に暮らす人類のこと、環境のことを絵本で知るきっかけに。
テレビやラジオ、ネットのニュースから毎日流れてくる海外の情勢。人種の問題や環境問題……。これからの世界を生きていく子どもたちにとって、避けて通れないものも多く、大人がどうやって伝えていくかも重要になってきます。
ショッキングな映像で心に衝撃を受ける前に、この絵本を手に、ひとつずつ自分のペースで地球のことに目を向けてみてください。
そのときはぜひ、一人ではなく傍らにパパやママがそっと寄り添ってあげてください。
★新刊★日本語っておかしい! 脱力系かるた絵本登場。
ちょっとセンシティブな気分になってしまったので、ここで思い切り力を抜いて、脱力系のことば絵本をご紹介します。
著者の豊永盛人さんは、沖縄の琉球張り子の作家さん。琉球張り子とは、沖縄で古くから作られていたカラフルな色遣いが特徴の玩具。豊永さんは個展や全国百貨店で、ご自身の作品を販売しているのですが、その中でも特に人気なのが、絵本の元ともなったカルタのシリーズ。実はこの絵は全て、ガラスに裏から描かれているのだそうです。力強い絵と相反する脱力系の言葉たち……。ページをめくって豊永ワールドにどっぷりはまってください。
「おもしろ あいうえおかるたの え本」
作・絵:豊永 盛人
出版社:Gakken
琉球張り子作家、豊永盛人の、某大喜利番組のお題にも使われた脱力系かるたの世界が、魅力そのまま一冊の絵本になりました。力強く描かれたガラス絵と、力の抜ける読み札の絶妙なコンビネーションに、大人も子どももクスリと笑ってしまうこと間違いなし!
●ベルギーやフランスの教育現場でも活用されている絵本。
最後にご紹介するのは、色や形を通して、多様性を感じることができるフランス生まれのオシャレな絵本です。
日本で出版される前に、すでにフランス語に加えてカスティーリャ語、簡体字中国語、中国語複合語、英語、ギリシャ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、タイ語など11カ国語に翻訳されていて、話題になった一冊。
しかも日本語版の翻訳は詩人の谷川俊太郎さんが手がけています。
谷川さんの言葉に誘われて、せんとてんの多様性を感じてみてください。
「せんとてん」
作:ヴェロニク・コーシー
絵:ローラン・シモン
訳:谷川 俊太郎
出版社:かんき出版
★全世界11カ国で翻訳されている絵本☆彡
★ベルギー、フランスの教育現場で大好評の1冊☆彡
子どもが「いろ」や「かたち」を感じて、創造性が膨らむ絵本です!
“多様性ってこういうことだ!!”
違う「かたち」が出会い、遊びからはじまり、いろいろなものを作り始め、「いろ」づいていきます。お互いを受け入れ、そして、新しい発見が生まれること。共に生きることの大切さを描く作品です。子どもはもちろん、大人にも気づきを与えてくれます。
【この絵本を読んだママたち全員が「いいね!」大絶賛!!】
※ママたちの声を一部ご紹介いたします。
◎子どもが誰かと遊びだしたくなるようなワクワクを与えてくれる!
―みさちゃん(子ども7歳)
◎ものごとは1つではなく、自分の見方でたくさんの可能性に満ちていると伝えられる本!―きゆみ(子ども1歳、4歳)
◎「誠実さ」を身につけたい大人にもおすすめです!―marikoroyal(子ども4歳)
◎みんな違うからこそ、世界は輝きにみち、いろとりどりで、美しいと感じる絵本
―Masako(子ども5歳、7歳)
◎ほっこりする絵に癒されます。思わずクスっと笑いがもれちゃうスタートからあんなゴールが待っていたとは!
―ときちゃん(子ども9歳、12歳)
******どんなお話なの?*******
あるひ せんと てんが であい ふたりは すぐ あそびはじめた
のっぽ ちび わかいの としより・・・ともだちよんだら もっと たのしくなった
いろんな ともだちが あつまったら もっともっと たのしくなった
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