
泣いている子はだれかな?「おくりむかえの絵本」

「いやだー、いっちゃいやだ!」
朝、保育園や幼稚園で泣いている子はだれかな?
入園したばかりの季節、こんな風に玄関からたくさんの泣き声が聞こえてきますよね。
送りにきたお母さんだって困り顔。
だけどね、どうやら理由は色々あるみたい。案外お母さんがいなくなるとケロッとしている子もいるみたい。
子どもたちは案外たくましいもんです。
● 今日もだれかが泣いている。「ようちえんいくのいやや−!」
「ようちえんいやや」
作・絵:長谷川 義史
出版社:童心社
「ようちえん いくの いやや、いやや、いややー」
とにかくみんな、よく泣いております。
たけしくんが、まなちゃんが、つばさくんが・・・朝から全身で「いややー!」。
よくある光景、とひとくくりにしてしまうのは簡単だけど、どうやらみんな、それぞれ立派な理由があるみたい。
イスのマークが気に入らなかったり、いちごが好きなのに「ももぐみ」なのがいやだったり。
すごく可愛らしいけど、本人たちにとっては深刻な問題。(とりあえず今日のところは、ね。)
「あぁ、わかるわかる」「私も一緒!」「うちの子が泣いているのも、もしかして?」
なんて、全ての世代の共感を得てしまうのは長谷川義史さんが子どもたちの気持ちを代弁してくれるから。油断していると、最後のページで泣かされてしまいますよ(笑)。
ユーモアと優しさにあふれたこの絵本、親子で元気をもらって、いってらっしゃーい!
● あっくんの雨は、止むのでしょうか・・・
「あめふりあっくん」
作・絵:浜田 桂子
出版社:佼成出版社
保育園や幼稚園に慌しく子どもを預ける朝。
「いやだよう。ママが いっちゃったよう」
特に新しいお友達が増える春の時期になると、あちらこちらからこんな大きな泣き声が聞こえてきますよね。
あっくんもそのひとり。その泣き姿は何とも豪快です。
あっくんより小さなお友達から大きなお兄さんお姉さんまで、みんなが何とかしようとかまってきますが、
泣き声はかえって大きくなるばかり。
そのやりとりがまた本当に実際に目の前で見ているかと錯覚を覚えるくらい、リアルで微笑ましいのです。
子ども達の動き、言葉、表情まで・・・どうしてここまで描けちゃうのでしょうね!
そして、外には本当の雨が降ってきて・・・。
幼い子ども達にとって、家族と離れる瞬間はつらい時間。当然ですよね。それは家族にとっても同じ。
でも、子ども達は案外強いのです。保育園での様子を見ているとわかります。
そしてこの絵本には、子ども達のそんな生き生きとした姿で溢れています。
あっくんもきっと明日には誰かをなぐさめてあげたりしているんじゃないかな。
● 保育園に入ったばかりのこたろうくんは…
「おむかえ」
作:ひがし ちから
出版社:佼成出版社
あら、保育園の玄関で思いっきり泣いている子は誰でしょう。
こたろうくんです。
こたろうくんは、保育園に入ったばかり。朝、おかあさんとバイバイするのがつらいのです。
だって、おかあさんが大好きなんです。おかあさんじゃなきゃダメなんです。
こたろうくんの様子を見て、ドキンとしてしまう方もいるかもしれませんね。
自分の子も、保育園にあずけた後に泣いているかもしれない・・・。
でも、ゆきこ先生はこたろうくんの気持ちをちゃんとわかっています。
無理に泣き止めさせることはしません。
おもちゃでちょっかいを出してみると、ちょっと笑いかけたこたろうくん。
でも、顔をあげたらおかあさんじゃありません。
またまた泣き出してしまいます。
お昼寝の時間、こたろうくんはおかあさんの夢を見ました。
「こたろうくんはえらいね。おかあさんが仕事に行っている間、ちゃーんと待っていられるんだもの」
夢の中のおかあさんはたくさんほめてくれます。すると、こたろうくんは・・・。
昼間は元気に園庭で走り回っている子どもたちだって、
おむかえを待つ小さな子どもたちの心には、いつだってちょっぴり不安があります。
だけど、おかあさんが大好きだから頑張れるんですよね。
そんな園児の心の変化を、ひがしちからさんが優しい眼差しで描き出します。
おかあさんやゆきこ先生の表情、楽しそうに過ごすまわりの子どもたち、賑やかな部屋、美味しそうなおやつ。そんな風景からも、こたろうくんを包み込む空気を感じて嬉しくなります。
● 夕方の園でお迎えを待つ子の空想は…?
「おむかえまだかな」
作:もとした いづみ
絵:おかだ ちあき
出版社:Gakken
かなちゃんは、夕方の園でお迎えを待っています。「でんしゃ おくれてるのかな」「とちゅうで ケーキかってるのかな」…。お迎えを待つ子の空想と、ちょっぴり心細い気持ちを瑞々しく描いた作品。ゆったりと親子で読みたい一冊です。
お迎えの瞬間
我が家のこどもたちは保育園にかよっています。
なのでこの本の内容が本当に身近で、胸にじーんと響いてきました。
こどもたち、こういう気持ちで待っているのかな?
嬉しいような、やっぱり早くお迎えに行ってあげたいような。
ママがお迎えにきた瞬間の主人公の顔が子どもたちにかさなって泣きそうになった私なのでした。
(りおらんらんさん 30代 ママ 女の子4歳、男の子0歳)