森の中のパン工場で、世界のどこにもない、心をもったあんぱんを作ろうとしているジャムおじさん。でもなかなかうまくいきません。そんなある夜、ジャムおじさんがパン生地をかまどに入れてひと休みしていると、たくさんの流れ星がパン工場の煙突へ飛んできて……。
「ぼく、アンパンマンでちゅ」とかわいいあかちゃんアンパンマンが誕生! さらにちょうど同じ頃、バイキン島では、雷に打たれたあやしげな卵から、「ば、ば、ば、……ばいきん!」とばいきんまんも生まれたのです。星と雷、それぞれのパワーを受けたアンパンマンとばいきんまん。どんなふうに成長し、出会うのでしょう?
アンパンマンの誕生とその原点が描かれた、テレビアニメ「それいけ! アンパンマン」第1話の内容を楽しめる絵本です(2005年刊行の復刊)。
なんといっても、ベビー服に身を包むアンパンマンの姿にびっくり。ニコニコしながらあかちゃんアンパンマンを抱っこするジャムおじさんやバタコさんも微笑ましいです。おじさんとバタコさんは、アンパンマンをこんな小さい頃から知っていたのですね。
アンパンマンが人を助けたいという思いのあまり、空を飛べるようになったことや、名犬チーズがパン工場に住むことになったきっかけなど、「へえー!」と唸りたくなるエピソードがいっぱい。アンパンマンが大好きな子に読んであげたい絵本です。
そうそう、バイキンマンとの初顔合わせバトルでは、てんどんまんも登場します。「てんてん、どんどん……」とお囃子のようなリズムもテンポよく、すっきり爽やかなエンディング。てんどんまんがお気に入りのお子さんにも、ぜひどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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