訳者あとがきで、「オランダ語児童文学の『今』を伝える作品」と紹介されているとおり、思春期の入り口に立った子ども達の不安や混乱、喜びが瑞々しく描かれています。
子どもが宿るということ、死ぬと言うこと、家族のこと、自分の存在のこと…。
初夏のオランダの島を舞台に繰り広げられる、10歳のサミュエルと11歳のテスのはつらつとした物語に、深く大切なテーマが自然に織り込まれ、無理なく心に沁みてきました。
子どもにも、大人にも、おすすめできる、爽やかで、希望に満ちた一冊です。
*「死」や「にんしん」についての下りがあるので、気になる保護者の方は、子どもに渡す前に、一読されるのがいいかもしれません。子どもの質問に答える準備のためにも。