暖かいストーリーと、素晴らしい絵。 13年前に買って以来、我が家の本棚の、一番目立つ場所をキープし続ける本です。大事に大事にしていましたが、最近傷みが目立ち始めました。 (まるで、「こん」みたいね。) 男の子の母親である私は、「こん」の中に我が子を映してみたり、(あきをエスコートする こんのナイトぶりは、じつにたのもしいじゃないですか!) ある時は、遠〜い昔、肌身離さず持っていた犬のぬいぐるみを思い出し、「もっと大事にしてあげればよかった。」 な〜んて懐かしんだり・・。
ところで、林先生が描く人物像には、それぞれモデルがいるそうですが、この本ではまず、「こん」をつくり、いろいろと動かしてみたのだそうです。先生のご両親にも手伝っていただいて、そのお二人が、表紙の左側、初老のご夫婦のモデルにもなっているとか・・。(男性の方は、せたていじ先生という説も。) ふくよかな、あの優しいおばあちゃんは、先生の実のおばあちゃんがモデルだそうです。
「視覚だけでなく、官能的皮膚感覚全部で感じられる絵を描いていきたい。」という、林先生の作品からは、まさしく、呼吸しているような温もりや、その息づかいすら感じられ、特に子どもの表情の豊かさには魅せられてしまいます!