ひと目見ただけでも素晴らしい表紙画で、正統派の作品だと感じられましたが、実は7歳の息子と一緒に大笑いした楽しい作品なんです。
もともと独りでプレゼントを配っていたサンタさん(この設定も斬新ですが、)ある時空飛ぶソリを作ってもらい、これでたくさん配れると思ったものの、さて誰がそのソリを牽くのか?という課題が浮上します。我こそはと、いろんな動物がソリ牽き試験を受けに来ますが、その中にひと際重そうなゾウもいました。イメージが違いすぎると思いましたが、意外やエンジェルとも見紛う優雅な飛行姿で、華麗にエントツ屋根の家に着陸して拍手喝采。もしやゾウが?!と思った次の瞬間、重みで家は崩壊、観客の喚声は一瞬で悲鳴に変わるという、とても漫画チックでコミカルなひとコマに、息子と大笑いして、何度も読み返してはは「イエ〜イ!」‥‥「ノー!!!」と叫びました。セリフはないので、読む人で好きにアドリブを利かせられます。
でも本題の、なぜトナカイがソリを牽くことになったか、という理由についてはいたって大真面目です。仲間想いの正直なトナカイがその役目を担う時、全員が納得し、やっぱりトナカイでよかったと一安心します。
本を閉じた時、表紙のトナカイが心なしか神々しく見えたような気がしました。