ラチという、世界中で一番弱虫な男の子がいました。
ラチは、飛行士になりたいと思っていました。でも、犬が怖いし、暗い部屋にも怖くて入れません。
ある日、ベッドのそばに、赤いらいおんがいました。
弱虫で、何もかも怖がる男の子が、笑ってしまいそうな赤い弱々しいらいおんのお陰で強くなっていくのです。子どもの成長にとって必要なものって、なんでしょうか。ちょっとしたきっかけで、変わってしまう。そのきっかけとなるものなんて、そんな大それたものではないかもしれません。子どもたちにとって、ラチのようにいい出会いがあることを祈っています。
それにしても、細い一本の線で軽ーく描かれ、少ない色遣いで表された世界、なかなかいいものです。