ウルフ・スタルクとエヴァ・エリクソン。スウェーデンの名コンビによる著書です。
パパが僕に宇宙を見せてあげようと言うと
「宇宙っていったいなんなの?」と僕。
「この世界全部さ」と答えるパパ。
好奇心と不安とが入り混じる息子の返答にパパが夢のある答えで返す。このやりとりが素敵ですね。
星空を見せてあげる気持ちでいっぱいのパパ。
何のことか分からず、お店のショウウィンドウや野原に咲くお花にばかり目が行く僕。両者の思い描くものがどこかずれている。そのギャップがまた微笑ましいのです。
ところが連れて来られたのは今まで来たことのある原っぱ。
見上げてみると、、ほらおおぐま座、あれはカシオペアと得意になるパパ。どれも同じに見えて、でもパパをがっかりさせたくないことから「うん」と気遣う僕。ここでも両者のずれが見て取れます。
ラストにはちょっとした笑いが用意してあり、読み聞かせだと盛り上がるでしょう。冬のシーズンに読みたい1冊です。
エヴァ・エリクソンの描くほのかな色鉛筆画がウルフ作品にはぴったりだと思います。温かみが絵本から染み出してくる、そんな気分に浸れます。
余談ですが題字は「ワニくん」シリーズでお馴染みのみやざきひろかず氏が手掛けたとありました。