“ともだち”をタイトルにした絵本は多いですね。
幼児を対象としたコミュニケーショントレーニングのような本はあり
ますが、小学低学年から中学年に入って、初めて戸惑い、考える「友達
関係のあり方」を扱う絵本はなかなか見つかりません。
大好きな和田誠さんの絵で、谷川先生の文で、私の求めていた絵本が
具現化しました。
〈ともだちって〉
〈ともだちなら〉
〈ひとりでは〉
〈どんなきもちかな〉
〈けんか〉
〈ともだちはともだち〉
〈あったことがなくても〉
のセンテンスにわかれています。
どの文を読んでも「そうだよね〜。」のうなずき。
最後のセンテンスの 〈あったことがなくて〉 の写真もすばらし
い。
これを読み、目にした子どもたちがきっと何かを感じ、未来で
何かをしてくれそうな期待を抱ける絵本でした。
小学校のお話し会では3年生読みました。
真剣なまなざしで聞いてくれました。結構タイムリーだったのかも。
終了後、「最後の写真のページを見せて。」と数人が駆け寄ってきま
した。
購入当時9歳の息子は1ヶ月ほど、お守りのように枕元においていま
した。
個々の個性は、各家庭で全肯定され育まれてきています。どの子もみ
んないいこです。いい子といい子だけれど、ぶつかっちゃう。相手の言
い分を聞く。自分の言い分をいう。互いの立場で今一度考える。折り合
いをつける。より深く互いを知り認めあえる。本当のともだちになる。
大人社会でもコミュニケーション能力や人間関係に悩む場面は必ず出
てくると思います。幼いうちに、“たくさん悩んで考えて”をしておく
ことが、こどもたちそれぞれにとっての財産なのかもしれませんね。