
むかしむかし、ある村では妖怪たちが暴れまわったり、どろぼうしたりで、 村人たちは困り果てていました。 そこで、たくましくて力持ちで、どんな強いものでもやっつけてしまうと噂の、 へのへの山のへのたに、やっつけてもらうことにしました。
村人たちが頼みに行った、へのへの山のてっぺんにいたのは、小さな男の子。 それが、へのたでした。 お供にいぬまる、さるすけ、きじえもんを連れて妖怪退治へ向かうへのたに、 「こどもとどうぶつだけでへいきかなあ」と村人たちは心配しつつも見送ります。
妖怪のいるどんどろ島に着いたへのたたち。 戦の準備にまず、舟に積んできたたくさんのいも、くり、かきをはふはふ、もぐもぐ。 おなかいっぱい食べたら、いよいよ妖怪屋敷へ向かいます。 まず、妖怪屋敷の扉を開けるために、「ばっぶーん!」 へのたがでっかいへをこきました。 そこからは、へのたたち、妖怪たち、両者入り乱れての屁合戦! しかし、なかなか勝負がつきません。 そんななか、へのたが思いついた名案とは……? へのたは無事、妖怪退治をすることができるのでしょうか……。
「屁」で妖怪退治をする、このゆかいなお話。実は江戸時代の絵巻物にもあったとか。 『おんなじ おんなじ おんなじね』や『かさじおやぶん いっけんらくちゃく』でタッグを組んでいる苅田澄子さんとつちだのぶこさん。おふたりのお話と絵には、子どもが大好きなユーモアがたっぷりです。
(絵本ナビ編集部)

どんどろ島のわるい妖怪たちを退治するため へのたは、なかまたちとどんどろ島に着くと、さっそく芋、栗、柿を腹一杯に食べて、恐ろしい妖怪たちのすみかにむかいます。

昔々、ある村の人々は、どんどろ山の妖怪たちに悩まされていました。
妖怪たちが、村の畑を荒らしたりどろぼうをしたりするのです。
困った村人たちは、へのへの山のてっぺんにすむという、「へのた様」に助けを求めることにしました。
実は、村人たちは、へのた様に会ったことがありません。
たくましい力持ちで、どんな強いものでも一発でやっつけるという噂を知っているだけです。
藁にも縋る思いでへのた様に会いに行った村人たちは、がっかりしました。
なぜなら、へのた様は、小さな男の子だったからです。
でも、黒い眉毛はきりり。
丸い目はきらきら。
腕っぷしも強そうです。
これならいけるかも!
村人たちが頼むと、へのた様は快く引き受けてくれました。
へのた様は、イヌとサルとキジをお供にしてどんどろ島に行き、妖怪たちをみごとに倒し、盗まれたものも取り返して帰ってきました。
それにしても……不思議です。
小さな男の子のへのた様は、いったいどうやって戦ったのでしょう?
噂になるくらいだし、どんどろ山だけでなく色々なところで戦ってきたのでしょう。
へのた様は、百戦錬磨です。
でも、どうやって?
それは、絵本を読んでのお楽しみです。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子18歳)
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