
スウェーデンを代表する児童文学作家 ウルフ・スタルク最後の作品。 挿絵は、 アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を 受賞した絵本作家キティ・クローザー。
おばあちゃんが亡くなって、いま、 ぼくのおじいちゃんは病院に入院している。 おじいちゃんは、かなり口が悪い。 きたない言葉ばかり使うので、パパは、 おじいちゃんのお見舞いに行きたがらない。 でも、ぼくはおじいちゃんが好きだ。 おばあちゃんと二人で暮らしていた家に 死ぬ前に一度もどりたいという おじいちゃんのために、 ぼくはカンペキな計画を立てた。
パパやママには、サッカーの合宿に行くと うそをつき、 パン屋のアダムに協力してもらい、 フェリーに乗って、 島にあるおじいちゃんの家に行った。
病院にもどると、おじいちゃんは 天国でおばあちゃんに再会するときのために きれいな言葉を使うことにすると いいだし…?
切ない現実を、巧みに、かつユーモアを交えて 描く作風が人気のウルフ・スタルク。 胸を打つ、最後の作品。

おじいちゃんと孫のお話です。
おじいちゃんと、その息子である孫のパパは、正反対の性格で
あまり相性の良くない様子。
だけど
おじいちゃんと孫は、趣味趣向がとても似ていて
馬が合うようです。
ふと
自分と母方の祖母のことを思い出しました。
いまでも好きなものや好きなこと、好きな味は
全部祖母に教えてもらったものです。
連れ合いをなくして病院暮らしのおじいちゃんが
戻りたがっている家に
孫のウルフと、行きつけのパン屋のお兄さんとで
誰にも内緒で、戻る計画を立てるウルフ。
そんな大冒険が語られる前半から
だんだんと死期を理解して、
自分の豊かな死に際の実現に向けて、最後まで意欲的なおじいちゃんが描かれる後半まで・・。
自分の思い出といくつ重ねたでしょう。
孫のウルフがおじいちゃんから受け取ったものが
今後の人生の糧になる。
人は体が亡くなっても、魂は生き続けるのだなと、感じました。 (やこちんさん 50代・ママ 女の子16歳)
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