都市開発がすすんで、空き地がはらっぱになっている景色。最近、よく見かけますよね。
でも、足をとめて、ふと、はらっぱに咲く小さな草花を観察したことのある人は、そう多くないはず。ついこの前まで何もなかった場所がいつのまにか緑が生い茂る「はらっぱ」になってる。
なぜでしょう?
オチビサンとシロッポイがその謎にせまります。
オチビサンは、誰も気にとめない、はらっぱに咲く草花を毎日観察します。小さな小さなお花が咲く瞬間をじーっと見つめると、いろいろなことに気づきます。そして、絵本の中で小さな子どもたちにもわかりやすく「はらっぱの秘密」を教えてくれるのです。
日本の四季を肌で感じ、その自然の彩りをのんびりと楽しむ日本人の暮らし。安野モヨコさんの描く「オチビサン」は、現在も連載中の人気漫画です。そのオチビサンの世界観がそのまま絵本の中で再現されている今作なのです。もちろんオチビサンの仲良しのナゼニとパンくいも登場しますよ。
オチビサンたちをとりまく時間はいつもゆっくりと流れています。読み終わったあと、ふと足元に咲く小さな草花を見つめて、「きみたち どこから きたの?」と話しかけたくなりました。「きゅうりぐさ」「ヒメジオン」「かたばみ」「へびいちご」や「すずめのかたびら」など、よく見ているのに知らなかった小さなお花や草の実の名前ものっていて、大自然にでかけなくても、小さな生命の健気さや力強さに元気をもらえそうな一冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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