ある日めいちゃんは、しゃべることのできる不思議な500円玉を拾います。
自分を使うようにとうながす500円玉。
それならと、めいちゃんはおかしを買おうとスーパーに行ったり、動物を手に入れようとペットショップに行ったり、500円の使い道を探して町中をかけ回ります。
ところが、安いものばかり買おうとしたはずが合計が500円以上になっていたり、はたまた、500円で動物を買ってもきちんと育てるためにはもっとお金がかかることがわかったり、どうにもうまくいきません。
「もう、いやになっちゃった。お金って、めんどくさい!」
500円の使い道はぶじに見つかるのでしょうか?
めいちゃんといっしょに、「500円玉」で買えるもの、できることを探しながら、お金の価値について学ぶことのできる本作。
加えてこの作品でおすすめしたいポイントは、生き物を飼う責任感についてもまた教えてくれるという点です。
何かを飼い、育てようとすると、それが買えるだけの金額を払えばそれで済むというわけではありません。
いっしょに暮らすためにさまざまな設備を揃え、ずっと餌も買っていかなければなりません。
この絵本は、生き物を飼うということを、そうしてお金という側面から教え、想像させてくれる作品でもあるのです。
冒険の末にめいちゃんが手に入れた、「500円」よりもずっと価値のある大切なものとはなんでしょう?
おこづかいをもらうようになったらぜひ読んでもらいたい一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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