
大きく美しい自然にめぐまれた、岩手県の遠野は、日本の昔話や伝説のふるさととして有名です。この物語もそのひとつです。遠野に住むかわいい娘が若駒(若い二歳ぐらいの馬のこと)と仲良くなり、いつも一緒にいましたが、父親はそれをにくむようになり、若駒を殺してしまいました。娘は若駒と天にのぼっていくと、自分のかわりに、かいこを父親の元にささげました。父親はそれを神さまとして、くわの木でおしらさまを作り……。

遠野物語の中で語られるお話です。
娘と白馬の恋物語という幻想的な内容ですが、二人を引き裂こうとして娘を失った父親も哀れです。
白馬と娘の化身として地上に戻ったのは蚕。
蚕から生まれる白銀の生糸と結びつくところが、遠野の世界なのでしょうか。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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