スイートピーさん夫妻の農場は、動物たちの楽園です。うまやうしやひつじ、いぬやとりたちが幸せそうに暮らしていました。ワニのクロッカスも、草むらの上で、ひがな一日気持ちよさそうに寝ていました。そんなある日、いぬのココがクロッカスのところへやってきて、言います。
「ぼくは、だいじなことをしてるんだ」
ココが走りまわったり、ほえたりすることで、どろぼうたちが近よれないのです。すると、今度はひつじのウーリィが言います。
「あたしは、もっとだいじなことをしてるの」
ウーリィの毛はセーターやマフラーになります。さらにうしは牛乳をあげられると言い、うまは馬車をひっぱり、おんどりは自分の歌でみんなを起こすことができると言います。クロッカスはみんながうらやましくなります。自分にできることといったら、草の中で寝てるだけ……。ところが、スイートピーさんの農場に新しい出来事が起こります。大きな池が完成したのです。その池に、最初に飛びこんだのは?
緑にあふれた農場を舞台に、カラフルな動物たちが生き生きと動きまわり、表情豊かに会話をしている様子が、見ているだけでも楽しくなってきます。デュボアザンの絵本は子どもたちに大人気。
「自分にできることって、なんだろう?」
悩むクロッカスと一緒になって考えて、クロッカスの大事な役割を見つけてあげてくださいね。だって、こんなにも魅力的なワニなんですものね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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