話題
うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)

お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!

  • かわいい
  • 盛り上がる
新刊
ディズニープリンセス じぶんもまわりもしあわせにする おやくそくブック

ディズニープリンセス じぶんもまわりもしあわせにする おやくそくブック(Gakken)

SNSで話題!すてきな大人になるために大切にしたい「おやくそく」を紹介する絵本。

  • 学べる
  • 役立つ

minttea

その他の方・50代・三重県

  • Line

mintteaさんの声

3件中 1 〜 3件目最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ
自信を持っておすすめしたい 答えは自分の中に   投稿日:2023/07/20
ワニのクロッカス なにができる?
ワニのクロッカス なにができる? 作: ロジャー・デュボアザン
訳: こみや ゆう

出版社: 好学社
作者ロジャー・デュボアザンの描く、カラフルで生き生きとして可愛い動物たちが魅力の絵本です。
デュボアザンが亡くなる前に完成した最後の作品で、その名の通り花の好きな、心優しいワニのクロッカスの自分探しのようなお話です。

クロッカスは、花々のいい香りが漂う草むらで「ひがないちにち、しあわせなきもちでねむっていました。」そこへ犬のココがやってきて、、、。スイートピーさん夫妻の農場に暮らしている他の動物たちも、自分がいかに有能で役に立っているかを競い始めます。

クロッカスの良いところは、「すばらしい」「すてきだ」と相手の長所を素直にほめて感心するところなのですが、その度に自信を無くし、落ち込んでいってしまいます。

その姿についつい自分を重ねてしまう人は多いかもしれません。どうして私たちはいつも外に目をやり、何かと比べて一喜一憂したり、答えを外に求めたくなったりするのでしょうか。

外ではなく自分の内に、自分に本来備わっているものに気づいたとき、クロッカスは、水を得た魚のように伸び伸びと自由になれました。
そしてそのことで人の役に立てた時の喜びは、草むらの平和な眠りよりずっと格別だったでしょう。

「おれたちは、だれだって、じぶんしかできないことがあるんだ」と言うおんどりのトランペット。「おれはバーサみたいに、あんなにたかくはとべないが、バーサは、おれみたいにうたえない。」というセリフから、金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」が浮かんできました。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 大人が心惹かれる、、、   投稿日:2023/05/12
海のアトリエ
海のアトリエ 作: 堀川 理万子
出版社: 偕成社
文章には書かれていないストーリーを、美しい水彩画が豊かに物語っていて、絵と言葉のハーモニーがひとつの曲を奏でているかのようです。 

居心地のいいおばあちゃんの部屋からお話が始まり、舞台は「とくべつな思い出」の中の ”海のアトリエ ”へと移ります。その間のページに、家の縁側に座って、薄暗くよどんだ時間の中に閉じ込められている様な少女がいます。シャボン玉のふちの黄色い光が、ほのかに希望を感じさせます。 

友達の娘で、問題のある状況の子を預かった絵描きさんは、学校のことを聞いたり女の子を慰めたりせずに、自分の日々のルーティンの中に組み込んでいって、体験を共にしていきます。

スイカの香りのする水で乾杯をして、「ようこそ、海のアトリエへ!」と迎えられた女の子の表情の、柔らかく嬉しそうなこと!
夜は一緒に本の時間。白熱灯の黄色い灯りが、部屋を温かく包んでいます。 
朝ごはんの後は、水着を着て海へ散歩です。
さわやかな空の青、深く静かな海の青、どこまでも続く水平線、、、。 

青、緑、黄色、白、それにところどころカラフルな色彩がとてもきれいな絵本です。
人の心を開放する力を持つ海の青―登場人物も青系の服をよく着ています。
緑は、物語の中の自然や植物の葉っぱなどの他に、本の表と裏の見返しの部分が一面鮮やかな緑色で、素敵なアクセントになっています。最後の夜に乾杯した「おとなのあじ」のする水の、ライムとミントの色でしょうか。
黄色と白は、光を感じさせてくれます。

海のアトリエで、絵描きさんと女の子の日々は、素敵と不思議に満ちていました。絵描きさんの生活はとても魅力的に見えますが、創作するということはいつも楽しいわけではなく、行き詰ったり葛藤したりすることもあるでしょう。
創作のため、アウトプットのためには、豊かなインプットが必要だし、ゆとりや遊び心も大切な要素です。絵描きさんが真摯に自分の仕事と向き合うアトリエで、子ども扱いされずに、共に過ごした体験は、女の子の心の糧となり、女の子の物の見方そのものを変えました。

「だれでもない、ここにしかいない、あたし」と感じることができた女の子からは、ありのままに自分らしくいればいいという、自分に対する確かさが伝わってきます。

時が現在に戻り、「あなたはこれから、あなたのだいじな人にであうのよ。」と孫娘に話すおばあちゃんの心の中には、今も絵描きさんが生きているのでしょう。
時の描き方も、心に残る絵本です。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 心の中まで映し出すような美しい絵   投稿日:2023/04/18
ねこ と ことり
ねこ と ことり 作: たての ひろし
絵: なかの真実

出版社: 世界文化社
深く美しい緑の中に、赤いとんがり屋根のねこの家が見えます。
「ねこは いえじゅうのまどを いっぱいに あけて、よくさました こうちゃを のんでいます。」

色とりどりの花が咲き誇る庭、そして家の中はさっぱりときれいで、暮らしの道具のひとつひとつや紅茶の缶からも、心地良い丁寧な暮らしが伺えます。
こぶしの小枝をいっぱい積んだトラックが到着すると、ねこの仕事の始まりです。
そこへ小枝をほしがる不意の客がやってきて、、、

美しい細密画に見入ってしまう、心温まる絵本です。アングルを大きく変えたり遠近を使い分けて、優れたカメラワークの映像のように印象的な絵が、ストーリーを展開していきます。ねことことりのお互いを思いやるところがとても素敵なのですが、ねこからの視点が気になります。

ねこは、自分の生活を楽しみながら毎日の仕事をこなして、一見安定したループの中で暮らしていました。しかし小枝をもらいにやって来る小鳥との交流は、そんなねこの気持ちを揺らしていきます。「まいにちが うんと たのしく」なったかと思うと、ことりが来なくなったランプの明かりだけの部屋は、ねこの心の中のように暗く沈んでいます。

時が過ぎて、ふたりのの会話のなかで気になっていた匂いの話が予想以上のハッピーエンドをもたらしてくれて、花のクローズアップは感動的です。

最後のページ、ことりからもらった花束を胸に、無言で立っているねこの表情が何とも言えず、物語に奥行きと余韻を与えています。

なかのさんの師匠で文章担当の舘野さんは、続編としてねこ側のストーリー、ことり側のストーリーも作ってあるのだとか。是非お二人での続編に期待したいです。
参考になりました。 0人

3件中 1 〜 3件目最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ

【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

出版社おすすめ


全ページためしよみ
年齢別絵本セット