だれもが知ってる、みんなのヒーロー! こんどのアンパンマンは、宇宙にとび出す!?
朝早くからお仕事をがんばる、ジャムおじさんとバタコさん。すると、どこからともなくふしぎな赤い光が! 光に照らされたふたりは、ふわりと体が浮かんで、空に吸いあげられてしまいます。
名犬チーズとアンパンマンは、あやしい光を追いかけて、別の星までひとっとび!
そのころ、なんだか不気味なその星では、さらってきたジャムおじさんとバタコさんを前に、やっぱりバイキンマンがおおいばり。
「いいか おまえたちは おれの たべる パンを つくるんだ」
誕生50周年を記念して、新装版として生まれ変わったアンパンマン絵本、「やなせたかしのあんぱんまん1973」シリーズ第6弾。
名犬チーズがしゃべる!?
「だだんだん」の名前がバイキンロボット!?
アニメとの違いもたのしい、アンパンマン絵本。子どもたちに読み聞かせをすると、あそこも違う、ここも違うと、おおよろこびしてくれます。
しかしいちばんのみどころは、絵本作家やなせたかしさんの個性的なイラスト表現! コマ割りをぶち抜いて空を飛ぶ躍動感あふれるアンパンマンだったり、明るく色づいた空や、山と緑の風景だったり、アニメでは決して味わうことのできない魅力にあふれています。
さて、言いつけられたとおりにしぶしぶパン生地をこねるジャムおじさんとバタコさんでしたが──
「ねりあがった ところで バイキンマン めがけて えーい!!」
バイキンマンも読者もおどろかせる、ジャムおじさん、まさかの反撃! しかし、バイキンマンがそれであきらめるはずもなく?
みんなのヒーロー、その原点。どこまでも広がりつづけるアンパンマンワールドの魅力を、絵本でぜひ。
(堀井拓馬 小説家)
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