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		雨が降りだして、虫たちが葉っぱの下で雨宿り。
 「みなさーん、あめの ひの おでかけは いかがですかー。
 おいそぎでない かたは どうぞ ごじょうしゃくださーい。」
 
 虫たちは、でんでんでんしゃに飛びのります。でんでんでんしゃは、ゆっくりゆるーん。歩いていくより遅くて、ケロケロタクシーが追い越していきます。光るしずくのそばをそろーり通り、葉の上や葉の下や、蔓がすべるつるつる峠をぐるぐるめぐり、時には道に迷って戻ることもあるけれど、でんでんでんしゃの進む道はどこも本当に素敵なのです。さあ、クライマックスはあじさいトンネル。晴れた空みたいなきれいなトンネルを抜けると……。
 
 雨の日限定、ゆるるーゆるるるんと進むでんでんでんしゃ。急いでいない人だけが楽しめる特別なお出かけ。独自の視点から多彩な作品を生みだす林木林さんと、その世界を愛らしく詩情たっぷりに描き出すひがしちからさん。二人の人気絵本作家が繰りだすのは、ささやかだけれど美しく輝く憧れの風景。退屈な雨の日こそ、絵本を開いてゆったりした時間を楽しんでくださいね。
 
 (磯崎園子  絵本ナビ編集長)
 
 
		
		しずくが光るぽたぽた橋、蔓がすべるつるつる峠、葉の上、葉の下、あじさいトンネル……でんでんむしの電車は、ゆっくりのんびり走っていきました。独自の視点から多彩な作品を発表している林木林と、想像の世界を色合いと構成力で巧みに表現するひがしちから。二人の人気絵本作家の詩心がこもった作品です。
 
		梅雨にぴったりの絵本を探していて見つけました。 雨の中をでんでんむしの「でんでんでんしゃ」が、チョウやてんとう虫やダンゴムシたちを背中に乗せ、つゆいっぱいの原っぱを進みます。
 あじさいや虹も登場して、なんとも爽やか。雨が楽しくなりそうなおはなしでした。
 (クッチーナママさん 50代・ママ 女の子21歳、女の子18歳、男の子15歳)
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