
原文に忠実な翻訳で、素朴で骨太なグリムの魅力を伝えます。練られた訳文は、声に出して読みやすく、聞いているとお話の情景が浮かんでくると好評です。 みつけどり/ねことねずみのともぐらし/あわれな粉やの若者とねこ/貧乏人とお金持/みそさざいとくま/かえるの王さま/白雪ひめ/かしこいグレーテル/六人男、世界をのし歩く/十二人兄弟/雪白とばら紅 全11話収録
付録・小冊子「グリムを語る」vol.2(荒井督子)

わたしが子どものころ、親から読んでもらった本を、今度は自分が親として子どもに読んであげる。その時間には、言葉にしにくい、けれど確かにあたたかい、うれしい気持ちが流れます。本を通して、記憶が静かにつながっていくようにも感じます。
この本も、そんな一冊です。五冊の童話集の目次をそれぞれ開き、「今夜はどのお話にする?」と子どもにたずねます。子どもが指さしたお話を、ページをめくりながら声に出して読む時間は、一日の終わりのささやかな楽しみです。
なかには尻切れトンボのように、「ここで終わるの!?」と思わず突っ込みたくなるお話もあります。しかし、その余白があるからこそ、読んだあとに親子で想像をふくらませたり、続きを考えたりすることができます。どのお話も短いながら刺激に満ちていて、読むたびに新しい発見がある、魅力的な童話集だと感じました。 (マドレーヌさんさん 30代・ママ 男の子8歳)
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