
2024年コルデコット賞オナーブック受賞絵本
うれしい時、かなしい時…、かけがえのない時間が読む人の胸にせまります。
この世に生をうけ、人生を歩みはじめたすべての子どもたちへのエール。
短い言葉に添えられた人生のさまざまなシーンと、情緒的な風景が交互に描かれ、心に深い余韻を残します。

1995年1月17日早朝5時46分に発生した大地震から31年めの朝を迎えた被災地神戸。
のちに阪神淡路大震災と呼ばれることになるこの震災で、6400余名の人が亡くなりました。
昨日の朝、同じ時刻に手を合わせる多くの人がいて、また涙を流す人の姿に、
あの日のことがよみがえってきます。
失った悲しみは癒えることがありません。
2024年にコルデコット賞オナーブックを受賞した、
マーラ・フレイジーさんの絵本『ひとつひとつのいのちに』に描かれた
人生のさまざまなシーンと短い文章に、
この大震災で犠牲となった人たちのことや残された人たちの悲しみが二重写しになります。
誰もが大きな喜ぶをもって迎えられた「誕生」、育まれていく「愛」、
はじける笑顔、結び合う手と手、
それでもやってくる悲しみ。
「かなしみにしずむ」「そのひとりひとりに やがてなぐさめが」
『西の魔女が死んだ』などで多くのファンを持つ梨木香歩さんの柔らかな翻訳が胸をうちます。。
阪神淡路大震災だけではなく、東日本大震災、熊本地震、能登の震災と
たびたび大きな災害がこの国に悲しみをもたらしてきました。
災害だけではなく、生きていくことは、愛する人を失うという悲しみから逃れられません。
それでも、いのちがあるかぎり、前を向くしかありません。
「愛につつまれている そのひとつひとつ」のいのちこそ尊いのです。
この絵本はそんないのちの尊さを静かに伝えるメッセージです。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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