雪の降る冬の朝、足跡を追いかけてみよう……。まずは、目を覚ましベッドから起きた主人公が洗面所に向かい、顔を洗って、洋服を着て、朝食を食べてから、スリッパを長靴にはきかえ、コートを着て外に出た。どんなことを考えていたんだろう。何を話したのかな。一緒について行ったのは誰?
「あしあとを おいかけよう……」で始まるこの絵本は、文字と登場人物が描かれていない絵本。でも、代わりに登場する「あしあと」で展開が追えるように工夫され、ある朝のお散歩の様子が美しい冬の絵の中で語られます。 おもしろいのは、作品中の場面から抽出された25に及ぶ主人公の行動の鉛筆画が表紙見返しに任意に紹介され、読者は絵本の場面とそれぞれの行動を照らし合わせる作業が楽しめる点。(この鉛筆画は、付録としてもはさまれています。)さらに楽しいことに、裏表紙見返しには順番通りに並べた行動の鉛筆画を掲載。作者が提供する順番の答えを知ることができます。いずれにしても、楽しみ方は読者によってさまざま。見返しの鉛筆画は、表情が生き生きとしていて、見ていて飽きませんよ。 絵本の各ページでは、丁寧なイラストが冬の朝の光景を的確にとらえていて心を打ちます。小枝を折るところ、小川を渡るところ、まきを運ぶところなど、自然の中に生きる家族の息づかいが、人物が登場しないにもかかわらず、温かく伝わります。 想像力を掻き立てる、よく考えられた作品は、一人でページを開いてもよし、親子で盛り上がってもよし。グループで読めばコミュニケーションが高まり、これもまた楽しいでしょうね。 ――(ブラウンあすか)
雪の日、家のなかから外にでてゆく“あしあと”。だれのだろう? だれとだれが、であったのかな? さんぽのとちゅう、なにがおこったとおもう? ちいさな“あしあと”もみのがさないで、よっくみて! 本にはさんである絵にじゅんばんをつけて、おはなしをつくってみよう。
「このあしあとだれの?」という副題がついてます。
本文は「あしあとをおいかけよう・・・」しかありません。
小さな男の子と犬が、朝起きてから、雪の積もる外へ出かけ戻ってきて、船を作る様子が描かれてるのですが、男の子と犬の姿はほとんど描かれておらず、あしあとを見ながら想像するのです。
そしておもしろいのは、見返し(同じ絵の描かれた紙もはさまっている)に男の子と犬がしていること(着替えとかおしっことか・・・)が描かれていて、本の中のどの場面かあててみようというところです。
絵がとてもかわいらしく、細かいところまで想像しながら眺めると楽しい絵本です。 (ぼのさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子7歳、女の子2歳)
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