ママが美術館に行こうと言い出した。美術館についても楽しんでいるのはママだけ。ぼくもみんなも退屈だった、最初のうちはね。でもママはぼくらに絵を見る楽しさ、描く楽しさを教えてくれたよ。絵の中にはたくさんのヒントがあるんだ。そこで、ぼくらは絵を描くゲームをはじめた。シェイプ・ゲームをね!
画家の自伝風(前書きを読むとアンソニー・ブラウンのことではないかもしれませんが)で、中年の画家が回想する場面から始まります。小さいころ、ママの誕生日にママの提案で美術館に行ったこと、パパと兄が乗り気にならなかったこと、パパが道々だじゃれを言っていたこと、それでも絵を見ているうちにだんだんみんな楽しくなってきたこと……。何カ所か、見開きの左側に本当の名画があって、右側に著者が描いたパロディーの絵があるのですが、気取らず見れば、絵が楽しいものだということがよくわかります。そして、帰りの電車で「ぼく」とママは「シェイプ・ゲーム」をします。このゲーム、我が家の子供たちも喜んでやりました。絵はイマジネーションなのですね。家族の様子も、いかにも実際にありそうで共感が持てます。 (ホートンさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子4歳)
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