「かんばんのないコーヒーや」 ママの声

小さめサイズのかわいらしい雰囲気の絵本。タイトルが気になり、手に取りました。
見返し部分からたくさんのカップが並び、大人っぽい雰囲気。中もコマ割りになっています。
くまマスターのどんぐりコーヒーに魅せられたおおかみくん。弟子入りを願い出るも断られてしまいますが、悪戦苦闘しながらもどんぐりコーヒー作りに没頭していきます。
こちらは、実際にあるコーヒー屋のマスターがモデルになっているとのこと。
「にがくてあまくてふかくてふくざつで」と評されたマスターのコーヒー、飲んでみたいです。

この絵本を読んで、極めるということはこういうことか、と感心しました。

ある日出会った究極に美味しいコーヒーを目指して、努力を続けるオオカミくん。
それまで経営していた古本屋を閉めてまで、究極のコーヒーを何年も何年も追い求めるオオカミくん。
最初はくまマスターのそっけなさにいただけないものを感じましたが、それはくまマスターなりの優しさなんだと分かりました。

ある日のちょっとした出会いで、こんなにも人生が変わるのか。
読み進めながら、感慨深いものを感じました。