地域の読み聞かせボランティアの勉強会の時に、一緒に参加していたお母さんからこの作品を紹介してもらいました。
タイトルだけは気になっていて、チェック済みだったのですが、このお母さんのお話を聞いてすぐに購入しました。
さくまゆみこさんが邦訳をしています。
原作もきっと素敵だったと思いますが、日本語訳にあたって、さくまさんが手掛けてくださったことで、たぶん、この本は更に素敵になっているんではないかと、勝手に思っています。
マイケル・ファアマンのイラストもお話の雰囲気にとても合っていました。ヴェニスの町も、ナチの収容所の風景も、印象的で、心に残しました。
この作品は、絵本といってしまうと少々長く、小説ほど長くはないし、絵童話というほど、童話っぽくもないです。
また、主人公のヴァイオリン弾きの思い出話から、ナチの収容所にいたころの両親の話になるので、戦争についての知識も多少ないと、ピンとこないと思います。
できれば小学校高学年以上、中高生に読んでもらいたい作品です。
後書きに、作者のこの本への思いがつづられています。
ちゃんと漢字にルビも付いているので、この本を手にしたら、後書きまでしっかり読んでください。
長すぎるため、読み聞かせには向きませんが、何かの折にブック・トークで、子どもたちに伝えていきたい作品です。