『ランサム・サーガ4』(上巻)です。
なんで、「長い」冬休みなのかというと、今回は物語の前半でみんなの先導役にしてリーダー的存在のナンシーがおたふくかぜにかかってしまって、一緒に行動を共にしていたウォーカー家の4きょうだいと、この冬たまたま彼らの近くのディクソン家へ滞在していたDきょうだい(ドロシア&ディック)は、ナンシーのおたふくが移っているといけないので、学校へは戻れず、潜伏期間が過ぎるまで、長い冬休みを過ごすことになってしまったからでした。
(彼らはそのことをとっても喜んでいますけど)
新たに登場したDきょうだいは、その後「オオバンクラブ」のメンバーとも活躍するのですが、それはまた別の話。
今回はこの『ランサム・サーガ』初登場で、知識はあるけど生活の知恵は何も知らない都会っ子という立ち位置です。
この湖での子どもたちの生活能力に比べると一番小さなロジャ以下というレベルでした。
ところが、数週間ジョンやスーザン、ペギーたちと行動を共にしたことで、Dきょうだいも成長していきます。
また、ディックと人見知りの激しいらしいディクソンさんとの友情というか信頼の情みたいなものもできていく過程もとても愉快に表現されていました。
自分の気持ちや言葉を外に向けるのが非常に苦手なディクソンさんが、子どもたちの会話を耳にして、自分ちに来ているDきょうだいをウォーカーきょうだいやアマゾン海賊の二人に張り合わせようと、ちょっとばっかりがんばっちゃうところなんかは、大人になって読んだからこそ伝わってくるところかもしれませんので、この本をお子さんたちに進めるときは、ぜひ、お父さん・お母さんも読んでくださいね!
(絶対、ハマります。そして、自分たちの子どもだったころ体験したいろんなことも思い出すのではないでしょうか)
ディックが大活躍するのは「11.岩山で動けなくなったヒツジ」の章です。この章は上巻の中で私の一押しのシーン満載です。
何度も書いてますがランサムは目にみえるように情景を描くことがとても上手いのです。
特にこの章では、自然体験初心者のディックが、これまでジョンやほかのみんなから習ったこと、見て覚えたことを手本に、初めて岩山に残された羊の救助当たるのですが、ディックのみているもの・触っているもの、その時の目線や触感、ドキドキ感が“初めての体験”リアルな感じで伝わってきます。
シリーズの中でも珍しい「冬」の湖。
凍っているので、船が出せません。ですから子どもたちは海賊ではなく冒険者で、彼らの主な移動方法はスケートか橇でした。
冬ならではの世界を堪能できますよ〜。