このお話しを読んで、稀に名古屋辺りの飲食店のお会計で見られる寸劇を思い起こしました。
「ここは私が、(払います)」「いかんてっ、(私の方こそ払います)」「まぁええてっ!(いいじゃありませんか!)」「あかんてっ!(そんなこといけません!)」「今日のところは私が(払わせてちょうだい)」‥こんなやりとりに立会う羽目になった店員さんは苦笑いです。
お話しはというと、たぬきの隣りに引越して来たきつねが、たぬきの家に手土産を持って挨拶に行くことから始まります。けっこうなものを頂いたと思ったたぬきはおかえしを届けます。良いご近所づきあいの始まりか、と思いきや、そのおかえしにまたおかえしを持って行く、おかえし合戦が勃発してしまいます。
繰り返されるおかえしのおかえしのおかえしのおかえし‥読む方もつらくなって来るほどに、息子はゲラゲラ大笑い。ついには予想を超えるおかえしに、どう終わるものかと周りが心配してしまいます。
最後は仲良く収まってくれるから、読む人も店員さんも、ホッと胸をなでおろすことでしょう。
それにしても、たぬきもきつねも(おばちゃんも)、持って行った(出した)方の顔は実に晴れやかで、満足げなのがとても印象的です。