ふるかな ふるかな?(評論社)
雨はふるかな ふるかな? まだかな まだかな?
きみとぼく(文溪堂)
谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語
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9件見つかりました
出版されてすぐに購入し、高学年での読みかたりに度々持っていったお気に入りの絵本。今回、学校からのリクエストで家庭で昔話を読むことになり、外国のものが良いという4年生の娘に読みました。 少し長めですが、集中して聞いている様子でした。 「7年の間、身体を洗わず、ひげにも髪にもくしを入れず、祈りもせずに生き延びたら、お前を金持ちにしてやろう」悪魔と取り引きをし、熊の皮を着せられた男。なんともハードなスタートですが、そこは昔話ですから、読者の期待を裏切りません。典型的な西洋型のハッピーエンドの昔話です。 この作品は、恋愛の要素が色濃く表れているので、大人としてはそのあたりの読みごたえがあります。 ホフマンの美しい絵、文学的で洗練された訳文、大人のための絵本としてもおすすめです。
投稿日:2019/12/03
グリムのなかでも、このお話は知らなかったので、一体主人公はどうなるんだろう、とハラハラしつつ読みました。悪魔と取引した男の7年が、ホフマンの描く絵で、その辛さや過酷さがすごく伝わってきたので、ラストに主人公の男が幸せになれて一安心。ホフマンの描くお話の世界観にひきこまれました。
投稿日:2019/07/13
悪魔との約束が、7年の間、身体を洗わず、ひげにも髪にも 櫛をいれてはならないし、爪も切ってもいけないし、けっして主の 祈りを唱えてはいけない。悪魔の着ていた緑色の服を着て、くま の毛皮を着せられて、”くまっ皮”と、名乗って放浪のたびを7年も 続けた若者の忍耐力・体力・粘り強さ・ガマン強さ・辛抱強さに呆 れるけど感動しました。 4年目に、老人と出会い、親切にしてもらったお礼にと、3人いる 末っ子の娘と婚約をし、3年後には娘と無事に会うこともできて 幸せもつかんでよかったです。 それにしても7年は、長いなあ・よく辛抱できたなあと思いました。
投稿日:2019/06/15
初版から第4版まではハクストハウゼン家からの話が「緑の上着の悪魔」の題で、1670年グリンメルスハウゼンによって第5版で「最初の熊の皮を着た男」に改題された作品です。 ホフマンさんの絵で久々に読み直してみると、子どものための昔話というよりは、大人もたっぷり楽しめるお話です。 戦争が終わり、暇を出された鉄砲一丁の兵隊が、お金も土地も財産もなく世の中に放り出され、行く当てもなく思いあぐねている時に近づいて来たのが、緑色の上着を着た男(悪魔)。 この男に持ちかけられたとんでもない話。 七年間、あてがわれた緑色の上着を着て、体を洗うことも髪・髭・爪を切ることもしてはならない。 上着のポケットに手を突っ込みさえすれば、いつでも金をひとつかみずつとれる。 ただし、自ら主の祈りを唱えてはならない。 勇気だめしに撃ち取った熊の皮をマントを寝床にし、「くまっ皮」と名乗れ、そして七年この姿でいたら、自由の身にし金持ちにしてやるという、約束に応じる兵隊。 お金に困らないのは良いのですが、兵隊の姿は二年を過ぎるとみるも恐ろしい化け物のようになって、・・・・・・。 四年目にある宿屋で、裏の棟の一部屋に泊めてもらうことになった兵隊が出会った老人を助けてやり、お礼に末娘と婚約を交わすことに。 外見でひとを判断しなかった末娘との、指輪を二つに割り約束するシーンが心に残ります。 この後のくまっ皮の世の中をあちらこちらと巡り歩き善行を積み、自分の代わりにお祈りをしてもらう姿に、感心します。 貫き通したくまっ皮の意思の強さと、心優しさ。 並の人間にはできる事ではありません。 葡萄酒のコップに投げ込まれた半分の指輪を、末娘が飲み干して見つけるシーンは、大人もドキドキを感じると思います。
投稿日:2015/11/23
兵隊は、戦が終わり行くあてもなく歩いていると悪魔に合う。悪魔は、7年間体を洗ったり、爪を切ったりしてはいけない、くまの皮のマントを着ていなければならないが、代わりに上着のポケットに手を入れればいつでも金がひとつかみとれる。7年たったら金持ちになれると言う約束をする。 男の風貌は、時がたつにつれだんだんひどくなった。4年目のある晩泊った宿屋で出会った老人は、破産して困っていた。男はお金を分けてやった。老人は、お礼に3人いる自分の娘のだれかを嫁にやると言った。 3番目の娘は、父親を助けてくれたにだからと、この男と結婚の約束をする。男はあと三年待っていてくれと言って再び旅に出た。 無事に7年がたち、男は悪魔と再会する。男はきれいさっぱりし、娘の待つ家に行き、3番目の娘と結婚する。 悪魔との約束を守り通した兵隊の忍耐力がすごい!!(絵本を見ていただくとその風貌の凄さにびっくりします) また、困っている人にはおしみなく金を与えたことが、そういう心持がこの兵隊を最後幸せにしたのだと思う。 3番目の娘は、人を外見で判断することなく、本質を見抜く力を持っていたのだと思う。 いろいろな読み方ができ、深い話です。
投稿日:2015/01/29
地味なタイトルと挿絵・・・最初は「あまり面白くなさそう」と言っていたわが子ですが、読み始めると面白かったらしく、ラストまで夢中で話に集中してました。 童話のわりには文字も小さく言葉遣いもちょっと難しいのですが、変に子供受けを狙っていないところがお話に厚みをもたせます。 地味にみえた絵も、熊の皮をかぶった主人公の変わりゆく様子がよく伝わってきます。 戦争のない世界の兵隊のいる場所がないという冒頭シーン、信仰の自由を奪われた主人公が他人に自分の祈りをお願いする様子など、大人が読んでも読みごたえがあります。 かと思えば視点を変えると「美女と野獣」のごときプリンセス系ストーリーにも見えたりするわけで、女の子にも楽しめちゃいます。 小学校低学年くらいの子の読み聞かせにお勧めです。
投稿日:2014/10/18
『グリムの昔話』で、「くまの皮をきた男」はお気に入りのお話だったのですが、絵本になってホフマンさんの絵の世界が広がってみると、本当に素晴らしい作品です。 7年間体を洗わず、熊の皮を着たままで生活することを約束した兵隊の心、出会う人たち蔑み、悪魔とは思えない悪魔が、荒いタッチで描かれた絵の中に透けて見えます。 デッサンのような絵の線は、人の心の輪郭まで描いているようです。 親の恩義のために、誰もが嫌がる熊皮の男と結婚することを約束した末娘の心はよくわかりませんが、どんでん返しのハッピーエンド。 男の変身をどのように受け入れたのでしょうか。 悔しがって部屋を飛び出ていった姉たち。 物切れのお話の、その先が妙に気になる私でした。
投稿日:2013/10/05
グリム童話をホフマンが絵本にしたものでは「七わのからす」や「ねむりひめ」「おおかみと七ひきのこやぎ」などが有名ですが、 『くまの皮をきた男』はでちょうど1年くらい前ににほんで出版されたばかりなので、知らない人も多いかもしれません。 私もつい最近まで知りませんでした。 邦訳は同じこぐま社の「子どもに語るグリムの昔話」を訳された佐々梨代子さんと野村しげるさんなので、言葉としての違和感は全くありません。 この作品はホフマンの晩年に描かれたものらしいです。 私は「グリムの昔話」の本でこの“くまっ皮”の話を読んだとき、いったいどんな風にくまの皮を着こなしているんだろうと、貧相な想像力で考えたのですが、なるほど、この絵本で「ホフマン」が描いたこの感じなら、一応人前にも出られるし、くまっ皮を着ている感もよくわかりました。 また、原作の時に「みどりいろの上着を着た」悪魔が、どんな奴かすごく気になっていたのですが、ラストシーンで、くまっ皮の兵隊さんを散髪しているシーンは結構可愛くて、「どこから見ても普通の理髪店の主人だよ」とか一人ツッコミを入れてしまいました。 グリムの話は難しいものも多いですが、この『クマっ皮』は物語の展開がなかなか面白いです。 小学校の高学年くらいから、ぜひ読んでみてください。 読み聞かせに使っても悪くはありませんが、少々長い物語なので、読み手は十分練習しないと、持ち手が疲れると思います。
投稿日:2013/06/10
ホフマンの絵が、情感いっぱいな、グリム童話です。 1人の兵士が、クマの毛皮をかぶって、 身なりの手入れをすることも許されないまま7年過ごせば 死ぬまで金持ちでいられるといわれて そのとおり過ごします。 途中、身なりに左右される姉妹がでてきたり お約束な展開なのですが ホフマンの絵のせいか とても情感迫るものがあります。 汚い身なり時代の婚約者が かわらずに兵士の帰りを待っていて 最後はハッピーエンドです。 人はなんどきも試されているのでしょうか・・。 正直に生きたいと思った一冊です。
投稿日:2012/10/25
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